2016年2月22日 (月)

2015年4月パリとリヨン その6 [男ひとり旅の美学]

■サラ・ベルナールの足跡を求めて

Sarah Bernhardt
気になっている女優です。

オルセー美術館の2階、アール・ヌーヴォー建築史のコーナー
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カフェ・サラ。ベルナールの店内にて
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プティ・パレにて
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彼女の音声とか記録映画とか、残っていないかな?

続きます。

2016年2月21日 (日)

2015年4月パリとリヨン その5 [男ひとり旅の美学]

2015年4月28日(火)、7時20分起床、晴
パリ最終日です。

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■モンマルトル逍遥
タクシーでピガールへ。
モンマントルの丘を目指して坂道と階段を昇る。
細い道が多く、迷いに迷う。

テアトル広場……まさか、この雑多な店でごちゃごちゃした界隈がそうなのか? そうなんだな。がっかり。
もっと芸術的な雰囲気を求めていたのになぁ。
でもまぁ、周辺の雰囲気は良い。

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サクレ・クール寺院を巡る。
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モンマルトル博物館は小規模ながら良質だと思う。
ルノワールの庭も再現されていた。
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シャ・ノワール
どこかの資本で再現してくれないかなぁ。
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ピガールへ降りるも、タクシーが全然つかまらない。
何とか乗り込み、ホテルへ戻ってチェックアウト。時間(12時)を過ぎてしまったが大目にみてくれた。


■プティ・パレ(パリ市立美術館)

前回時間切れだったプティ・パレを再訪した。
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まずは中庭のカフェで軽食を。カフェオレとケーキで12ユーロ。

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お気に入りの作品を二つ。
Paul Albert Steck『Ophelie』(1894年)
水中のオフェーリアの表情としぐさがなんとも言えない。
緑と白を基調とする色彩も良い。
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Leon-Francois Comerre『Bicyclette au Vesinet』(1903年)
前回同様、お気に入り。
きりっとした美少女はやはり良い。
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アール・ヌーヴォー時代の屋内。良いなぁ。
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■TGVに乗り遅れて大凹み

プランタン百貨店、ギャラリー・ラファイエット百貨店を見たが、中国人観光客で溢れている。
これじゃ大阪・梅田や神戸・元町のほうがマシというもの。

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ホテルで荷物をピックアップし、メトロに乗ってリヨン駅まで無事に着いたのはOKだが……

TGVに乗り遅れた!

原因は切符に書かれた発車時刻16時19分を手帳に転記する際、「59分」と書いてしまい、こればかり見ていたためだ。

チケットカウンターへ並び、直近の列車のチケットを購う。
TGV6687号、16時57分発の一等車を確保できた。
料金は133ユーロだが、嬉しいことに、乗り遅れた列車との差額61ユーロで許してもらえた。メルシー。

新幹線とシステムが異なり、初めてだらけ。次は失敗しないぞ。

16時58分に出発。でも英語アナウンスなし。エアコンは発車してからの稼働ときた。
合理的なのか、乗客無視なのか。

新幹線のような社内販売カートはない。代わりにビュッフェ&売店車両があり、紅茶とオランダ風ワッフルを購入した。5.7ユーロ。
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車窓に見えるは畑と牧場ばかり。

リヨンに近づくと、風景がパリと異なってきた。
雲が低く垂れこめ、天使か何かが降臨してきそう。なるほど、カソリック信仰の盛んになるのがわかる気がする。

18時55分にリヨン・パール・デュー駅に到着。
よく見ると大きなポスターに「乗車1時間前には駅に着くように」と書いてある。
新幹線のほうが良いな。
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タクシーでホテルへ向かう、ソーヌ川沿いは大渋滞。24ユーロもかかった。

19時30分、ホテルSofitel Lyon Bellecourソフィテル・リヨン・ベルクールにチェックイン。
この五つ星ホテルは素晴らしいところだと後で知る。
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夕食はルームサービスにした。
Roasted free-range poultry(ローヌ地方名産の地鶏)
Creme Brulee(フランス名物のスイーツ)
白ワイン
サービスでカフェオレを付けてくれた。
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満腹になったところで続きます。

2015年4月パリとリヨン その4 [男ひとり旅の美学]

■アンヴァリッドへ

コンコルド広場からプティ・パレ、グラン・パレを経由し、アレクサンドル三世橋を抜ける。このルートが一番好きだ。

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16時10分にアンヴァリッド到着。二両の戦車がお出迎え。「ガルパンはいいぞ」

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ナポレオン一世の墓を見た。
ドーム教会の中央地下に鎮座する巨大な大理石の棺は、ネルソンのそれを凌ぐだろう。

RIVOLI、PYRAMIDES、MARENCO、AUSTERLITZ、IENA、FRIEDLAND、WACRAM、MOSCOWA、と。
棺の周囲に刻まれた地名は、すなわち英雄の足跡。
12体の女神に見護られて眠ること200年。彼を超える英雄は、さて、現われるのだろうか。

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■軍事博物館

アンヴァリッド内の軍事博物館。
ルイ14世の甲冑、近世の小銃、騎馬兵の姿などから、20世紀の軍事兵站に至るまで幅広く展示されていた。
日本の戦国時代~徳川幕府時代の甲冑は……撮影禁止だと?

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「陸軍の恥」といった記録もキチンと残されている。
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帝国陸軍の軍服もあった。1912年のもの。
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1942年まで来た。さぁこれからというのに、18時になって追い出されてしまった……。
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■サンジェルマン地区を歩く

グルネル通り~サンジェルマン通り~サンジェルマン広場へ。
これが有名なCAFE DE FLOREか。次回に入店しよう。
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ボナパルト通りからカルーゼル門を経て、19時ごろにホテルへ戻る。
良く歩いた。左足の裏が痛い。


■ムーラン・ルージュ

20時10分にホテルを出てタクシーでピガールへ。
外はまだ明るく、ムーランルージュらしい雰囲気はない。
だが、内部は往年のナイトクラブの感じが出て良い感じ。
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ショーはFeerie、前すぎる席だったので全体は見渡せない、

まあ、ド派手なショーだ。
ダンスだけでなく、マッスル大会的なショーもあった。

トップレスなのは最初とまどうが、それが自然に思えてくるから不思議だ。
相席はスウェーデン人夫妻とスペイン人男性で、この男性は元ムーラン・ルージュのダンサーだったそうで、サインをもらった。

水蛇と仔馬のショーには驚いた。

終演は23時前。フレンチ・カンカンは想像よりもショボかった。

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続きます。

2015年4月パリとリヨン その3 [男ひとり旅の美学]

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2015年4月27日(月)、7時10分起床、快晴
ルーブル美術館、アンヴァリッド、ムーラン・ルージュの日だ。

■ルーブル美術館は朝一番に入場するべし

ホテルからルーブル美術館までは至近距離。8時50分到着。ミュージアムパス保持者も100名を超える行列。それでも開館後にスイスイと進めたのはパス様のおかげ。これだけでも価格以上の価値がある。
すぐに「あの部屋」へ。EVを利用し、他の観光客に先行するのだ。

おお! モナ・リザの部屋には10人もいない。モナ・リザ嬢とのツーショット写真が撮れたぞ!(自粛)
その3分後には超満員御礼の人だかり。ギリギリだったな。

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ナポレオンの戴冠式
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ジャンヌ・ダルク
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アルプス越え
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グランド・オダリスク
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あれ、このドラクロワはルーブル・ランスじゃなかったのかな? ラッキーだ。
『7月28日、民衆を導く「自由」』
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CARAVAGGIO カラバッジョの現物は初めて鑑賞した。衣服の質感、ジプシー女の表情、無垢な騙され男の表情など、良いな。
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『Les Noces de Cana カナの婚宴』ではここの部分が気にいった。
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ギリシャ彫刻ならこの2点だな。
『ボルゲーゼの剣闘士』
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『瀕死の奴隷』
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ミロのヴィーナスの美しさよ。
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リシュリュー翼2階へ。

『宰相ロランの聖母』
今回はこの絵画の鑑賞が目的のひとつでもあるが、意外に小さかった。
権勢を極めた男の、最終的かつ個人的な望みが垣間見えてくる傑作だと思う。
遠方に見える小人物こそ、現生の人間界の姿。そのうちのひとりが作者ヤン・エイクその人らしい。
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『レースを編む女』と『女いかさま師』の対極さも面白い。
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ルーブルといえば宗教画も忘れちゃいけない。
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名画を堪能できた。ニケちゃんも見たし。
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ナポレオン三世の居室
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ピラミッドを出たのが15時。……6時間もいたのか。外は快晴だ。
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チュイルリー公園を東へ歩く。
何をそんなに嘆くのかね……。
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写真ばかりですみません。
続きます。

2015年4月パリとリヨン その2 [男ひとり旅の美学]

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2015年4月26日、パリは快晴
この日はオルセー美術館、オペラ・ガルニエ、ポンピドゥー・センターを巡った。

ホテルの朝食はコンチネンタル式。いちおう合格点。
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■オルセー美術館

開館は10時。25分前にミュージアムパス保持者セキュリティチェックの列に並んだが、前に200人はいそう。

今回は1階から鑑賞する。
お気に入りの作品を何点か。

Jules Lefebrre『La Verite』(1870年)
光源は新しい文明の到来を予感させる。構図が良い。
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Edouard Maunet『Olympia』(1863年)
構図、ポーズ、表情、どれも良い。
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Gustave Caillebotte『Vue de toits (Effet de neige)』(1878年)
雪の質感、しんとした街の雰囲気が出ている。
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Edgar Degas『La Classe de danse』(1876年)
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Gustave Caillebotte『Raboteurs de parquet』(1875年)
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Pierre-Auguste Renoir『Le Pont des Arts, Paris』(1868年)
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Edgar Degas『L'Orchestre de l'Opera』(1870年)
オペラ座の影の主役、オーケストラ団員を描いたドガの作品。
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なんだか楽しそう
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旧駅舎の構造物を活かしたこの雰囲気、好きです。
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大時計の向こうに見るルーブルも格別。
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12時45分にオルセーを退館。やはり来て良かった。


■オペラ座、舞台初鑑賞!

オルセー美術館から北上してオペラ・ガルニエへ。
チケット申し込み券を持っているのに、間違ってボックスオフィスに入って並んでしまった。
係員に問い合わせて、正面玄関より入場し、無事にチケットと交換できた。
プログラムも購入。12ユーロ。
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オペラ・ガルニエの外観もそうだが、内部はよりゴージャス。
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物販価格もゴージャスだった。水3ユーロ。シャンパン12ユーロ。

演目はマノン・レスコーを原作としたバレエ『マノン』だ。
実はオペラ座入場が初めてなら、バレエ鑑賞も初めてなのだ。

座席は前から3列目、オーケストラ席と呼ばれる場所だ。真正面寄りのボックス席も選択できたのだが、あえて舞台に近いこの席にした。
オーケストラも良く見える。
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座席は伝統的なスタイルで、マホガニーの座椅子に張られた赤いベルベットの感触を愉しめた。足台も木製。床の赤カーペットは平凡だった。

14時30分、前回(2014年7月)と今朝、オルセー美術館で鑑賞したドガの絵画『L'Orchestre de l'Opera』そのままに、幕は上がった。

舞台は全三幕。
マノン、兄のレスコー、富裕老貴族、学者肌の若い紳士を中心に華やかな舞台が繰り広げられる。

最終幕のセットが斬新だった。
アリゾナの沼地を表現したものだが、結び目ばかりのロープが数十本垂らされた中、マノンは息絶える。
背景は亡き兄と情婦の幻影など、楽しい思い出の走馬灯か。

終焉は17時15分。カーテンコール。
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外は大雨、人だかり。

鑑賞後のティータイムということで、いつものCAFE de la PEIXへ。
オペラ・ガルニエを鑑賞しながらエスプレッソとミルフィーユを愉しむ(25ユーロ)。
前もそうだったが、ミルフィーユはすぐに崩れてしまう。
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■現代美術? すみません、わかりません。

オペラ大通りを300メートルほど南下し、西へ曲がって歩く。
ギャルリー・ヴィヴィエンヌは閉鎖されていた。残念。
さらに歩くとヴィクトワール広場だ。これはルイ14世かな?
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そのままエティエンヌ・マルセル通りを行く。
セバストポリ大通りを南下すると、ポンピドゥー・センターが見えてきた。
ここの4階と5階に目指す国立近代美術館がある。19時に入館。
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で、第一目的の20世紀前半の美術を展示する5階は「5月末日まで閉鎖」?
ガックシ。藤田嗣治を見たかったのに……。

気を取り直して4階のコンテンポラリーアートを鑑賞しよう。

うむ~。理解するには、相応の美術の知識が必要とされるな。
僕には無理だ。

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■パリの夜景の美しさよ
20時10分、カフェ・サラ・ベルナールで夕食とした。
1664ビールと本日のプレートで21ユーロ。牛肉が硬いぞ!

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この店はパリ市立劇場、すなわち元のサラ・ベルナール劇場の1階にあり、彼女のポートレートやポスターが多数陳列されている。以前に入店して気に入ったのだが、今回の接客はいまふたつ。ドリンクだけならベター、レストランとしては二流といったところか。
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夜の散歩もまた愉し。パリの夜景の美しさは筆舌に尽くしがたい、本当に。
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市庁舎
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ノートルダム大聖堂
中国人の団体観光客がうるさい。こんな夜に観光せんでもよかろうに。
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ポン・ヌフ
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ポン・デザール
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ルーブル宮のピラミッドの裏側
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コメディ・フランセーズを観て、22時30分にホテルへ戻る。
左足に靴擦れができてしまった。
……これが後にとんでもない災いをもたらすとは、このときは思いも寄らなかったのだが!
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続きます。

2015年4月パリとリヨン その1 [男ひとり旅の美学]

花の都パリはGWの時期がもっとも美しいらしい。今回は南の古都リヨンへも足を延ばした。
だが最終目的地、ジュネーブへの旅は後述の理由により断念するとなった。
まぁ、フランスの救急病院も体験できたし、良しとしようか。

【参考データ】
往路便
 2015年4月25日 関西空港11時25分発AF291便、パリ行き
復路便
 2015年5月3日 ジュネーブ・コアントラン空港10時30分発AF1643便、パリ行き
 2015年5月3日 CDG空港発13時45分発AF292便、関西空港行き
の予定を急きょ変更して、
 2015年5月1日 リヨン・サンテグジュベリ空港10時50分発AF7641便、パリ行き
 2015年5月1日 CDG空港13時45分発AF292便、関西空港行き

パリ宿泊先:Hotel Brighton(3泊)
リヨン宿泊先:Sofitel Lyon Bellecour(3泊)

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(夜のルーヴル美術館も良いものです。)


■2015年4月25日(土)、フランスへ向けてtake off!

早めにチェックイン。ゴールデンウイーク前半だけあって関西空港セキュリティチェックは長い列だ。
両替は520ユーロ(レート132円)と230フラン(レート129円)。十分だろう。
スカイマイルのゴールドメダリオン特典を利用して関空ラウンジへ。タキシングする航空機を眺めつつ白ワインと寿司をつまむ。

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エールフランスは久しぶりのプレミアムエコノミーシートだ。
以前は用意されていたはずのスリッパが、ない。持参して正解だった。
座席は大型エンジンの真横。いい感じではあるが、眠るのは無理だな。
オットマン付きのシートは良いなぁ。シート幅、前後ピッチとも満足できる広さの設計だ。

上空から日本アルプスを眺める。富山から日本海へ抜ける直前の眺望には満足した。

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13時15分に昼食が出た。仔牛のソース掛けは美味。シャンパンも赤ワインも美味。
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東シベリア上空。河が凍っているのが良く見えた。

あれ? 昔は利用できたプレミアムエコノミークラス用のミニ・バーがなくなっている。
こうやって航空会社のサービスレベルはどんどん低下してゆくんだな。

長い長い時間を音楽で過ごす。
Miles Davisの『L essential』はピンとこないな。
Django Reinhardtの『Swing de Paris』はむせび泣くギター、特にMinor Swingが良い。

バッテリーを新調したXperiaもWalkmanアプリも快調だ。
moraからダウンロードしたてのTRUE 『Dream Solister』(響け! ユーフォニアム)は最近のお気に入りだ。

映画『バンクーバーの朝日』を鑑賞。後半にかけての盛り上がりが良かったが、1941年12月7日にすべてが暗転するのは辛い。
外はペテルブルグ上空。20時48分、先は長い。

ストックホルム上空、外気温-54℃か。少し頭痛がしてきた。

21時40分に夕食。これはエコノミークラスと共通。いつもの固くて美味しくないパスタだ。

機内はひどく乾燥するので、マスクはかかせない。
現地時間16時50分にシャルル・ド・ゴール空港へ到着。長かった。

17時10分に入国。インフォメーションセンターでParis Museum Passを購入。二日券で42ユーロ。
これが、今回の観光で効力を発揮したのです。パリ観光の必需品。

17時30分、ロワッシーバスでオペラ・ガルニエへ向けて出発。バス代は11ユーロ。9か月前は10.5ユーロだったのに。
車内はニダ、ニダとうるさかったな。
18時25分、オペラ・ガルニエに到着。観光客はまだ少ないのかな。

で、まさかの「高貴なバンドーム広場」をスーツケースをごろごろ転がして歩くぶざまな姿で南下し、ホテルBrightonに到着。


■絶景! ルーブル、オルセー、エッフェル、グラン・パレ!

今回はリヴォリ通り、チュイルリー公園に面するHotel Brighton オテル・ブライトンに宿泊する。
およそパリらしくない名前のホテルだが、pen誌2007年2月15日号の「一冊まるごと、ルーブル美術館。」特集号に掲載され、気になっていたのだ。
で、記事にあった「ルーブルの風景を独占できる、眺めのいい部屋」を期待してチェックインしたのだが……。
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想像を超えた絶景に歓喜!

ルーブル美術館、オルセー美術館、チュイルリー公園
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エッフェル塔、オベリスクとグラン・パレ
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この眺望を独占できて満足だ!

■ルーブル宮殿は、それ自体が至高の芸術作品

景色に眺め入って遅くなってしまった。さぁ、歩こう。
チュイルリー公園に入って西へ。
ルーブルの外観はどの方角から眺めても良い。ディテールも申し分ない。
伝統的な様式に大中小のピラミッドが加わった構図が見事。

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ライオン門を出て左岸へ渡る。サンジェルマン・デ・プレを目指したはずがあらぬ方向へ。しかも突然の雷雨ときた。

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著名なカフェ、LES DEUX MAGOTSで夕食とした。
1664ビールとグリルド・ビーフターターで36ユーロ。高くついた気がする。

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ボナパルト通り~ルーブル宮殿経由でホテルの412号室へ戻る。

で、バスル-ム。四星ホテルなんだから、バスタブの仕切り板くらい装備してほしいものだ。
これを除けばまずまず快適なホテルだったと思う。

続きます。

2014年8月13日 (水)

2014年7月パリとプラハ その5 [男ひとり旅の美学]

2014年7月21日(月)午後のパリ

■左岸を歩け歩け

ポン・ヌフを経てカルティエ・ラタンへ向かう。

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オデオン座

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リュクサンブール公園

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パンテオン 圧倒的な存在感

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ムフタール通りへ。一度訪れてみたかった「パリ最古の通り」だ。

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2012年6月に大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室で鑑賞した荻須高徳『Rue Mouffetard ムフタール街』(1932年)のイメージとも重なりあって良い感じだが、観光客目当ての飲食店が多いな。

ムフタール街を抜けてモンジュ通りを歩く。

しばらくして、リュテス闘技場なる公園にたどり着いた。中は円形の球技場のようだ。
少年サッカーに負けじと、老人たちが鉄球を投げてぶつけ合う競技に沸いていた。訊くと「ペルン」と言うのだそう。硬球大の球を持ってみたがズシリと重い。パリの老人、侮りがたし。

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リュテス闘技場近くのメトロの入口。気に入った。

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北上し、1165年に創立されたパリ最古のサン・ジュリアン・ル・ポーブル教会に到着。外観のみ参拝。ノートルダム大聖堂は目と鼻の先。5月に入場したので今回は素通り。ものすごい人だかりを掻き分け、大通りと川を超え、右岸へ渡る。

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ホテルで小休止。18時40分。
モンジュ通りは品が良くなさそう。ムフタール通りもいまいち好きになれなかった。


■モンマルトル逍遥
ここを散策するには時間切れ。次回はじっくりと廻ることにしよう。

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■サクレ・クール寺院
観光客で溢れているな。確かに眺めは良い。でもそれだけのような気がした。失礼。

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■シャ・ノワールの足跡を巡る
世紀末のわずか十数年間、モンマルトル文化の揺籃の地となったキャバレー、LE CHAT NOIR(黒猫:有名なポスター画)の2か所の跡地を訪ねた。これは展覧会「陶酔のパリ・モンマントル 1880-1910 『シャ・ノワールをめぐるキャバレー文化と芸術家たち」を2011年4月に鑑賞して以来思っていたことだ。
新進芸術家と商業主義の融合が一大文化を生み出す有様はさぞ、壮大かつ刺激的なものだったに違いない。

それも昔の話か。
「シャ・ノワール」の2番目の店(~1897年)の跡地は普通の民家になっていた。

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最初の店(~1885年)の跡地は隣の土産物屋に押しのけられそうになっていた。
フィリップ・スタルクのデザインした歴史案内板が泣くぞ。

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最初の店の跡地の同じ通りの角に現役のカフェ・コンセール「エリゼ=モンマントル」(1807~)があるはずなのだが……なんと、つぶれて売りに出されていた。うーむ。

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それでも、このピガール地区はサブカルの香りがプンプンして良いな。また来よう。

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これでパリ散歩はお終い。翌日のプラハ行の準備、準備!

続く。

2014年8月11日 (月)

2014年7月パリとプラハ その4 [男ひとり旅の美学]

2014年7月21日(月)

■ルーヴル美術館の至宝たち
8時30分、ピラミッド前に推測600人の行列あり。黙って並び、9時すぎに入場できた。
10時以降はすさまじい混雑となり、これが15時ごろまで続く。恐ろしや。
拝観料(?)12ユーロ。大英博物館はタダなのになぁ。


Denon翼77号室の南西の角。ここが僕の好きなLouvreだ。
朝一番よりモナリザの前は恐ろしい混雑だが、こちらはゆっくり鑑賞できる。

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Jean-Auguste-Dominique INGRES「Jeanne d'Arc au sacre du roi Chaeles VII, dans la cathedrale de Reims」(1855年)
『シャルル七世の戴冠式のジャンヌ・ダルク』
この少女の美しい表情と金属的な甲冑の対照が良い。実はルーブルで僕の一番好きな絵画だ。

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「詐欺師」「指輪と乳首をつまむ姉妹」「恥じらう乙女」「踏みつける天女」等々。一級の芸術に触れるっていいなぁ。

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オルセーに見られないルーブルの特徴の一つに、中世宗教画の充実があげられるだろう。お気に入りをパチリ。

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モナリザの微笑む部屋です。

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この特別な空間のニケちゃん。大人気でした

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(写真の下は大混雑)


目には目を、歯には歯を。ある意味、生きた法典。

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14時。遅い昼食はリシュリュー翼に併設された「Le Cafe Marly」カフェ・マルリーへ。赤地に金のライン、青いロゴのインテリアはルーブルにふさわしいな。
テラス席に座り、ピラミッドとドゥノン翼を眺めながらの食事だ。
スープ(gaspacho)は良し。メインはunique tenderloin steakを奮発した。美味い!

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晴れたり、曇ったり、どんどん変わるパリの空模様。これも文明の素地のひとつなのかな。

続く

2014年8月10日 (日)

2014年7月パリとプラハ その3[男ひとり旅の美学]

2014年7月20日、パリの午後。
■プティ・パレ(パリ市立美術館)
ここにも来たかったんだ。
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・Georges Clairin「Portrait de Sarar Bernhardt」(1876年)
サラ・ベルナール嬢、貴女に会いたかった!
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・Leon-Francois Comerre「Bicyclette au Vesinet」(1903年)
好みだ。そしてこの、人を見下すような目! 痺れます。
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ここは結局、17時45分に追い出された。職員(パリ市の公務員)の一部は閉館前なのに着替え終え、帰る気満々だし。その昔、山梨県立美術館でも同じ目に遭ったぞ。どの国の公立美術館も体質は同じなのかな?
■散策
大統領官邸=エリゼ宮の周りはさすがに制服警官と私服警官らしき人物が警戒に当たっていた。
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サントノレ通りの高級店はどこも閉まっていた。日曜日18時以降だから当たり前か。
で、このあたりでカフェに……と思ったがなかなか見つからない。
ようやくAux Delices de Manonに入店し、軽い夕食とした。カプチーノ、タルト、何かのパンで20ユーロ。
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歩いて歩いてコメディ・フランセーズへ。チケット売り場に並ぶ。もう少しで僕の番ってところで「sold out」って悲しすぎ……。
で、また散歩に出ることにした。


サン・ラザール駅。名画の舞台を直接見ておかねば。うん。
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背後では若い二人の美男子が熱い接吻を交わしているのでした。
聖トリニティ寺院の前のカフェでビールを飲む。6ユーロ。
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22時30分にホテルに戻る。巴里の遅い夕べはこうして暮れたのでした。
続く

2014年8月 9日 (土)

2014年7月パリとプラハ その2[男ひとり旅の美学]

2014年7月20日、パリは日曜日。
■オルセーにおるぜー
8時20分にホテルを出て、またまたcafe de la peixにて朝食。この時間は室内でコンチネンタルブレークファーストのみ提供らしく、パン6個とコーヒーにオレンジジュースの統一メニュー。このジュースがすばらしく美味かった。で、25ユーロ。


徒歩でオルセーに向かう。「美術館は朝一番に入場するべし」なので9時20分に到着。この時間で推計600人待ち。9時40分に入場できた。入場料11ユーロ。

まずは内部全景を眺められる場所へ。1900年万国博覧会に併せてオープンした巨大駅のプラットホームだった部分、この半円筒形の天井が良い。
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これまた巨大な時計塔へ。スケルトン文字盤の彼方にルーブル宮殿を望む。絶景なり!

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それでは作品鑑賞へ。保護のため、基本的に写真撮影禁止なのも納得できる。

気に入った作品を何点か。
・Edgar Deger「L'Orchestre de l'Opera」(1870年)
華やかな舞台のもう一組の主役、オーケストラに焦点を当てた作品。ドガ一連の作品に共通する輝くドレスをまとったバレエダンサーを画面上部に配し、中央に黒ずくめの男たちと楽器を側面から描く。オルセーで一番のお気に入りとなった。
ポストカードも購入したぞ。
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・Pierre Auguste Renoir「Danse a la campagne」(1883年)
楽しげに踊る一組のカップル。女の右手に掲げた扇子が良い。でもこの女、ビッチって感じでイヤだ。
構図もタッチもとても良いのだがね。
・Pierre Auguste Renoir「Jeunes filles au piano」(1892年)
柔らかく、それでいて光にあふれた明るい作品。少女たちの美しさと相まって、その存在感は大きい。
背景のライトグリーン~オレンジ色のカーテンが白色と桃色の衣服を引き立てている。
・Edgar Deger「Dansenses motand un escalier」(1890年)
ドガの作品に文句はない。
・Pierre Auguste Renoir「Bal du moulin de la Galette」(1875年)
本作を間近に見ることができて嬉しい。
正面に座って談笑する白いドレスの若い娘が主役かな。ダンスに興じる男たちは皆、娘を見ている。パートナー達も気付いているのかも?!
・「Chrysanthemes」(1870年)
手前にあふれ出る花束。描き込みが尋常ではない。

・「Le quatre parties du monde soutenant la sphere ce'leste」(1872年)
1Fに鎮座する、ある意味オルセーを代表する彫刻作品。
地球を支える四人の女性は世界各地を代表する姿で表現されている。辮髪の中国女性は可哀想だろう。
タイタンに変わって女性たちが世界を支える。これも世相というやつか。

昼食です。11時50分に2Fへ向かう。その名も「Restaurant du Musee d'Orsay」オルセー美術館レストランへ。

1900年には駅舎ホテルのダイニングルームだった場所だ。天井のフレスコ画が見事。
座席は……女神像のお尻の真下に通された。まぁいいか。
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スープが美味い!
メイン(牛肉の煮込み)と巨大なアップルパイはまぁまぁ。50ユーロ。
眺めも内装も味も良し。次は男一人ではなく、誰かと一緒に来たいなぁ。

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2階のアール・ヌーボーコーナーは良し。
多数展示されている家具のディテールに宿る時代の精神。優雅な曲線と動植物をモチーフにした形状と色彩は良いな。
溶接後の完全に除去できていないのは技術的な制約かも。
実物大のデザイン画もある。
・あきらかに「やりすぎ」なキャビネットもある(多数の人間の頭、ヘビ、見ていて気色悪い)。

・Georges Clairin「Portrait de Sarah Bernhardt」(1921年)は往年の大女優の凄味を眼力に集約させている。
若い挑戦者を待つ女王の貫録は、恐ろしくもある。
ポストカードより。
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これからはデザインを重視してモノを購入することにしよう。
ところで、イタリアとスペインのアール・ヌーボーコーナーは新鮮だった。フランス・ベルギーのそれのような植物的な要素は多くなく、むしろ、アール・デコの要素を見出せるように感じた。(Federico Tesioのデスク、チェアーなど。ガウディのもそうだな。)
ジャポニスムコーナーは小規模
日本趣味というより日中印のイメージがごっちゃになった感じ。特にマントルピース上の時計や燭台にその趣向が表れているように思う。
午後は大混雑。朝一番に入館して正解だった。
Vincent Van Goghゴッホコーナーはもろ混みだぁ。
「La Nait etoilei」は以前に東京のオルセー展で観たが、ここで観るとさらに良く感じる。
夜の幾種類もの暗さ、黒。川に映る星々。傑作。
「La Salle de danse a'Arle」(1888年)は黒地に黄色の表現が良い。
・H.T.Lautrec「Jane Avril dansant」(1892年)
ここで観ることができるとは思わなかった。もう少し美人に描けば良いのに。
・Gustave Moreau「Hesiode et la Muse」(1891年)
気に入った。半裸で楽器のみ持ち歩く女の背後に天女あり。
天空に近い神殿、急峻な谷底、何の寓意なのだろうか。
羽の鮮やかな青が好い。
・James Tissot「Evening, dit aussi Le Bal」(1878年)
この作品もここ収蔵だったのか。黄色のドレスと扇が印象的だ。裾のひだまで良く描き込まれている。
・James Tissot「En pays e'tranger (Le Fils prodigue dans la vie moderne)」(1880年)
1883年の万博に出演した外国人のダンサー。って、日本人じゃないか。
踊子9人と欧米人の男に寄り添うゲイシャ・ガール。それに差配するスーツ姿の日本人男性。
こんな発見があるとは。
・Edouard Manet「Olympia」(1863年)
なるほど、物議をかもすわけだな。
オリエンタリズムのコーナーはボヘミアン(市場の)、サハラでの祈り(ムスリム)、アルジェリア・サハラの村人たち(暑くて何もやる気が起こりそうにない)等々。
このオルセー。古代ものもあるが、19世紀からのベル・エポック期のパリの華やかさが余すところなく表現されている。半日以上を確保して正解だった。(16時20分まで滞在した。)
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続きます。
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