男ひとり旅の美学 2014年8月 アムステルダムとオランダ風車 その3
2014年8月16日(土)、曇り
三日目の朝食もカフェ・アメリカン。アール・ヌーヴォー万歳!
■トラブル・デイ
オランダらしさを求めて、キンデルダイク村の風車群を観に行くのだ。
地球の歩き方2014年度版では、キンデルダイク村への具体的な行き方はわからない。
キンデルダイクへの行き方が詳しく掲載されている、ここのページを参考にさせていただいた。
【そらのおらんだ通信 オランダ観光 キンデルダイク】
www.oranda.fc2web.com/travel/travel3.htm#kinder
なるほど、国鉄でAmsterdam中央駅からRotterdam中央駅へ、ロッテルダム港からwaterbusに乗船し、Ridderkerkで渡し船に乗り換えてKinderdijk波止場まで行くとある。そこから歩けばすぐか。
トラムでアムステルダム中央駅へ。9時30分到着。2.8ユーロ。
料金は乗車時に運転手に支払えばよいので、楽ちん
乗車券は硬券のような、内部にアンテナ・コイルが巻かれた使い捨て切符。エコじゃないな。
さて、ロッテルダム中央駅行きの切符を買おうとしたら「ICチップ非対応のクレジットカードは使えない」ときた。cash払いで14.5ユーロ。手持ちが少なくなって不安だな。
これで二等車客室。ベルリンでもそうだったが、新幹線より快適だ。
オランダ国鉄のホームページ。料金、停車駅などがわかるので便利。
www.ns.nl/en/travellers/home/
ライデンの辺りで雲が暑くなってきた。小雨の中をICは快調に疾走する。
10時56分にロッテルダム中央駅到着
駅構内のツーリストサービスセンターへ。これが間違いの元だった。
「キンデルダイク行ボートツアー」なるもののパンフレットをもらったのは良いが、メトロ、LRTの説明が良くわからず、結局、タクシーに乗ってしまった。
これが失敗だった。まっすぐ南へ歩けば良かったのに。
運転手はしつこく「キンデルダイクまで車で行こう」と言うが、金がないのですよ、金が。「船で行く」と言い張り、港のボート乗り場らしきところで降車した。15ユーロ。高いじゃないか。
あとから思えば、waterbus乗り場のはるか東で降りてしまったのだ。ツアーに参加しようかと変な考えを起こし、そのパンフに描かれた不正確な地図を運転手に見せたのが失敗だったのだ。
キチンとした地図は旅行に必携だと痛感した。
港をうろうろしているうちに時間を浪費してしまった。
まぁ、勉強代だと思って、前向きに行こう。
自力(実はグーグルマップ様のおかげ)で何とか水上バス乗船場に着くことができた。
親切にキンデルダイクへの行き方と時間が図示されている。
14時2分、水上バス出発。
水上バスと渡し船の往復賃、キンデルダイク風車博物館入場料込みで、12.5ユーロ。
「クレジットカード不可の現金決済」らしく、貴重なcashはこうして費消されていった。
残金、なんと20ユーロ。
渡し船に乗り換える。
14時45分、キンデルダイクの波止場に着いた。
■キンデルダイク!
波止場から一本道を歩くと住宅地。だが確かにここを抜けるようだ。
少し歩くと、民家の間に10基程度の風車が遠方に見えてきた。思わず感動。
これぞオランダってイメージのWatermill 風車が19基。
驚いたことに、そのほとんどがきちんと廻っているのだ。
しかも干拓時代から現存するものなので、世界遺産に登録されたのも納得だ。
受付を済ませ、さっそく歩く。
風車博物館はすぐそこだ
遠景では気付きにくいが、目の前で見ると、その巨大な姿にまず注目だ。そして、回転する羽の速度と風切音に驚く。
木製の風車は精緻かつダイナミックで、正直、このような構造物を作り上げた人類の英知には感動せざるを得ない。
内部に入る。リビングルーム、極小スペースのベッド、キッチン等、住居として機能してもいたんだな。
風車博物館の内部から外を眺める。
基部では実際に排水する様子を見ることもできる。
トラブルあったが、来て良かった!
このキンデルダイク村は風車だけでなく、周囲も洗練されたカントリー風の住居が多く、日本の中流家庭のセンスアップに参考になると思う。
素晴らしい庭園を持つ80平米くらいの一軒家には感心させられた。(個人宅なので写真はやめておいた。)
17時10分、渡し船の「最終便」で帰路につく。危ない、危ない。
18時10分、ロッテルダム港に戻る。
■ロッテルダム港
ロッテルダムは現代都市。あまり観光の対象にはならないと思うが、昔、海運・検定に関する仕事に従事していた亡き父より「世界で最も重要な貿易港のひとつ」と聞かされたことを思い出し、今回の旅行で「自分の目で視る」ことに決めていたのです。
■ロッテルダム市街
ロッテルダム市街の建築デザインは面白い。
黄色い変なキューブはマンションで、居住者もいるそうな。
・手前が市庁舎、奥に世界貿易センタービル
・市庁舎
・世界貿易センタービル
18時40分にロッテルダム駅に到着。本当、最初から歩けば良かったと思う。
■お金がない!
18時52分にRotterdam Central stationを出発、20時3分にAmsterdam Central station到着。
電車代金は15.5ユーロ。
残金を確認すると……1.15ユーロって!
こんな危ない旅行は生まれて初めてだ。
アムステルダム中央駅のATMで50ユーロを借り出した。これで一安心。
アンネフランクの家に立ち寄ったが、200人以上のチケット待ちを見て断念した。
歩いて、うろついて、21時5分にホテルへ戻る。
よくよく考えると、朝食以降、何も飲んでいないし食べていない。
ひどい旅だな。
夕食は豪華ルームサービスにした。
■2014年8月17日(日)、最終日
朝食兼昼食のビュッフェ。カフェ・アメリカンともお別れだ。
また、カフェラテとエスプレッソを間違えてしまった……。
さて、午前をどう過ごすかな?
前日まではゴッホミュージアム鑑賞の予定だったが、もう一度「夜警」を観たくなったので国立ミュージアムへ。
他の絵画も含め、足元に注目。
伊達男は、やはり足元も洗練されているなぁ。
良いなぁ!
3階の「栄光の間」で90分を過ごし、満喫。
11時45分、チェックアウト
結局、このAmsterdam American Hotelでは僕以外の日本人を見ることがなかった。この環境が旅行気分を盛り上げてくれるのだ。
12時40分、スキポール空港着。
お土産はデルフト焼きの宝石箱にした。
15時35分、take off! さらば、アムステルダム!
機内では映画『グランド・ブダペスト・ホテル』を鑑賞。舞台はウィーンともろわかりだな。
なんでブダペストなのかはともかく、良作だ。
9時20分、無事に帰国できた。
■Dank u wel!
拙い弾丸旅行記に付き合っていただき、ありがとうございました。
<了>