ウィーン・静物画の秘密展 兵庫県立美術館
ウィーン美術史美術館所蔵、静物画の秘密展の観賞に兵庫県立美術館へ行ってきた。(2009年1月17日)
1996年7月に本物の美術史美術館を訪れた。"街全体がmuseum"と断言できるヴィーン(WEIN)の中にあって、シェーンブルン宮殿と並んで荘厳な建物だった。
かすかな記憶を呼び戻しながら、今回の展示を観賞する。
第1章【市場・台所・虚栄の静物】
果物を描いた一般的な静物画だけでなく、農民のダイニングルーム(土間に粗末なテーブルを置いただけ)や市場の活況を題材にした絵画まで幅広い。インパクトがあったのは牛や豚を解体した絵画だ。頭蓋骨や砂時計、天球儀を題材にした絵画は「人生の虚栄を顕した」? 解説がなければわからないところだった。
第2章【狩猟・果実・豪華な品々・花の静物】
なんせオランダは17世紀最強国家! その国力を背景に、遠く明朝シナの陶器や東南アジアの果物などが描かれていた。
第3章【宗教・季節・自然と静物】
やはりこのコーナーが見応えがあった。カソリックの絵画らしく、道徳をさりげなく表現した絵画が多い。(まだカルヴァン派の影響は無かったのかな?)
欲を言えばルーベンスの暗い絵画が見たかったが、無かった。(静物画じゃないから? それとも予算オーバーだったのか……。)
第4章【風俗・肖像と静物】
個人的にはマルティール・ディヒトルの「酒を飲む二人の男」とティベリオ・ティネッリ「貴婦人肖像」が気に入った。(土産にポストカードを買いたかったが無かったぞ! ブー、ブー!)
今回の目玉、「薔薇色の衣装のマルガリータ王女」は特別扱いされていた。まぁ、良い画だ。ん? モデルの王女3歳は僕の姪っ子にそっくりじゃないか!(伯父バカ)
ところで静物画は"still life"か。池澤夏樹さんの芥川賞受賞作「スティル・ライフ」の意味がいまになってわかった。
で、現代アートの展示も見てきた。「さっぱり理解できません」 これって本当に芸術なのか? 暴論を承知で書くが、19世紀までに美術方面における人類の英知が出し尽くされてしまったから、一般人に理解できないものを「芸術」と称しているようにしか思えないのだが……。
今朝の神戸新聞に「県立美術館7年目。建築費300億円、年間経費5億5千万円。その存在意義」に関する旨の記事が掲載されていた。まぁ確かに神戸市立博物館とだぶっているような気もするが。しかし存在意義を問うのなら、同じHAT神戸に多数が建設され、建物だけ無駄に立派で、何をやっているのかわからない県関係の○○センターのほうだと思うが、如何に。
兵庫県立美術館-「芸術の館」-【ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展】
http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_0901/index.html
2009年3月29日まで!
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