ポスター天国 サントリーコレクション展
PEN誌2010年11月15日号の綴じ込み特集記事により、サントリーミュージアムが閉館することを知った。行こう、行こうと思いながら最終週になってしまったが、12月にしては暖かな大阪・天保山へ出向いてきた。(2010年12月20日)
欧米の作品を中心に200点が有料ギャラリーで、旧帝国時代の内地・朝鮮・満州・台湾の作品と近年の展示会の作品を中心に200点が2Fロビーで展示されていたようだ。ロビー展示も半端ではなく、電話室の内部やトイレ近傍の壁面までポスターで埋め尽くされていた。
ギャラリーではいきなり、ロートレックの"ムーラン・ルージュ ラ・グーリュ"が迎えてくれる。特大サイズのポスターだけあって、印刷した3枚を貼り合わせていたんだな。
ジャンヌ・ダルク。……既視感あると思ったらサラ・ベルナールか! 1889年のポスターで作者はウジェーヌ・グラッセ。なるほど、ムシャの"ジスモンダ"が画期的だったことがよくわかった。その"ジスモンダ"は無いが、ミュシャのリトグラフは"椿姫"、"モナコ・モンテカルロ"が展示されていた。後者は華やかでお気に入り。
カッサンドルの"ノルマンディー号"はアール・デコの幕開けに相応しい斬新さ。
スタンランの"夢"、シュブラックの"ミス・ロビンソン"、ルヴェールの"クレマン自転車"は19世紀末の日本観が前面に押し出されている。"クレマン自転車"は江戸社会に自転車あれば……の図絵で輸入されていればありえた世界だ。ところで父が使用していた1960年代の自転車とポスターの自転車は酷似している。1890年の段階でフレーム形状等は完成の域にあったんだな。(当時のブレーキは前輪のみで、事故も多かったと思われる。)
"夢"と"ミス・ロビンソン"は正にオリエンタル・ファンタジー。バレエ衣装の上に振り袖を羽織って踊る女性ダンサーたち。男は靴とズボンに袴羽織と二本差し。月夜の松林に巨大な扇子と日の丸! 演し物としては面白いかも。
サントリー16年の蓄積の成果。有名なポスターが目白押しだが新たな発見もあり楽しい。
ジェスマールの"MISTINGUETT ミスタンゲット"には目を引かれた。現在でも通用する華やかさ。
HIGGINS ヒギンスの"ハリッジからヨーロッパ大陸へ"は構図が気に入った。複製ポスターを入手したい。
1950年以降のものにはあまり興味が沸かなかった。
旧帝国時代のものは商品ポスターだけでなく、戦時中の「欲しがりません勝つまでは」的な国民啓蒙的ポスターもある。京城の信和百貨店開店や台北の演劇告知も。実に味わい深いなぁ。
諸外国へ日本のイメージを売り込むためのJTBポスター(京都、日光)は戦後のものらしい。華やかで良い。
サントリーミュージアム[天保山] サントリー
http://www.suntory.co.jp/culture/smt/
「ポスター天国 サントリーコレクション展」は12月26日まで!
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