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2011年3月 4日 (金)

あぁ! 美しきモダーンズ 東西新世代女性たちの装い /神戸ファッション美術館

最近、大正・昭和初期の"モダンガール"が気になり、書籍を集めはじめた。タイミング良く、ツボを突いた面白そうな催しだ……と言うわけで神戸ファッション美術館(略称:F美)に出向いてきた。(2011年3月3日)

展示領域は大きく四つ。パリ、上海、ニューヨークの小部屋が続き、最大の日本エリアに続く。平日午後だけあって鑑賞者も少ないので、ほとんど貸し切り状態で堪能できた。(F美さんには申し訳のない書き方ですが。)

■まずは最大展示の日本エリアへ。大正・昭和期(~1940)の資生堂、クラブコスメチックス、宝塚歌劇場等のポスター多数が展示され、これだけでも感動だ。
・化粧瓶のデザインは当時から重要だったんだな。
・山名文夫氏の作品に目を奪われた。昭和20年頃までの資生堂のポスターや製品パッケージだけでなく、会報や商業雑誌の表紙を多く手がけたことがわかる。
・國際情報社発行の雑誌"婦人グラフ"の表紙に竹久夢二を発見。
・"ART・GOUT・BEAUTE"誌の表紙はいま見ても斬新。(フランス語が読めたらなぁ……)

・昭和11年の"ホームライフ"誌に掲載されるた応接間の数々。舶来高級家具に囲まれた優雅な時間を過ごすのは、ブルジョア階級なんだとひとめ見て分かる。ソファとカーペットに"火鉢"ってのはいかにも昭和らしい。
・"ホームライフ"誌のご令嬢特集。失礼ながら、昭和12年のご令嬢は「やぼったいおばさん」にしか見えません……。

・最奥部のガラスケースに現物が展示される「パリ・ロンドンのモードの変遷」は価値がある。ルイ14世が逝去して"堅苦しい宮廷服"から解放された18世紀の新スタイルや、1850年代から60年代半ばに中流階級まで浸透したクリノリン・スタイル(誰が流行をしかけたの?)、1900年頃には落ち着いたスタイルとなる。で、1920年代には劇的に変わるモード。ココ・シャネルが与えた影響は計り知れないことが分かる。

・時代は下って1942年発行の"主婦の友"誌の表紙に着眼。「強い国民をつくる母の力」なんてキャッチコピーが。この時代の決まり文句かもしれない。
(自宅にある1942年の"週刊朝日"誌の表紙には「隣組、國の手足だ、動脈だ」とある。背面の"錠剤わかもと"広告にも「あなたのお子様を明日の日本を背負って立つ立派な興亜の國民に育て上げるのは、お母様の責任です」とある。)

■パリエリア
・シャネルをはじめ、"時代を革新した"オートクチュール作品が並ぶ。なるほど、とうならせてくれるドレスもあれば、時代を風靡して消え去ったデザイナーの作品もある。
・個人的には「とんびコートとサロンスーツ」が良い。吉田茂のイメージ。着てみたいが勇気がいるなぁ。

■ニューヨークエリア
・ワンピースとドレスを中心に展示。
・最高に目を引いたのは水着。……ダメ男だと自覚した瞬間だった。

■上海エリア
・解説パネルによると、チャイナ・ドレスとして知られる旗袍(チーパオ)は、清朝の男性と満州族の女性にのみ着用が許され、漢族を含むその他の女性は上衣と下衣が分かれた服装を強いられていたそうな。
・1920年代、清国支配から漢民族が解放され、満州スタイルから脱却した時代。これまた束縛の象徴であった"纏足"からも解放された女性は、こぞってハイヒールを履き、新デザイン(エリ高、ゆったりめ)の旗袍に身を包み、摩登女子(モダンガール)としてマスコミを賑わした。
・ここでは"摩登女子"の愛用した旗袍が多数展示される。
・当時の広告ポスターからは、新時代の強い息吹が感じられるぞ。

いつの時代もファッションは女性優位だけあって、メンズもの(?)で目立つのは「とんびコート」と日本エリアのフォーマルスーツ、清朝皇帝の着用する礼服の3点だけ。しかたないか。

・「着物入場者は無料」だそうで、着物姿の若い日本人女性が一人。実に良い!(館内の写真撮影は禁止か)

・同時開催の"グレゴリ青山のモダン画廊"は、キャリアを実感させる収集資料と言い、その作風(^^)と言い、実に濃い。「展示会のポスター制作過程の展示」も面白かった。

「気に入った作品を選び、じっくりと鑑賞する」ことができた。内容ともども満足だ。
最高のお気に入りは、"1932年資生堂モダンカラー粉白粉"のパッケージだ。山名文夫氏装飾画とその形状は秀逸で、実に物欲を刺激してくれる。

神戸ファッション美術館 あぁ!美しきモダーンズ 東西新世代女性たちの装い
http://www.fashionmuseum.or.jp/museum/index.html
2011年4月3日まで!

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