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2011年4月27日 (水)

陶酔のパリ・モンマルトル1880-1910 ~シャ・ノワール(黒猫)をめぐるキャバレー文化と芸術家たち~

世紀末文化の香りがプンプン。少し遠いけれど(JR阪急電車乗り継ぎで70分)、鑑賞して正解だったぞ!(2011年4月26日)
伊丹市立美術館は初めてだ……この酒蔵のような建物がそうか!

Sscn1643

特設展示会場は2階と地下に分かれ、多数の絵画、ポスター、出版物により新進芸術家と商業主義の融合による一大歓楽地の姿を再現する試みだ。

ベル・エポックの最盛期に出現したのが、前衛芸術とカフェと出版の融合だ。1851年にパリ・モンマルトルの地に開店した"シャ・ノワール(黒猫)"は、一種の革命だったんだとわかる、

観客500人から1500人を収容できるカフェ・コンセールで、ダンスや演劇、コンサートが盛んに催され、世の紳士淑女を虜にし、新進作家、作曲家、サーカス団や大道芸人が腕を競い合った。で、このカフェ・コンセールはモンマルトル地区を中心に350件も建てられたという。

で、印象強く引きつけられた作品は……
・ピエール・ヴィダル『"モンマルトルの生活"の表紙』(作品55、1897年リトグラフ)
cover for La Vie a Montmartre
モンマルトルの自由を謳歌する文化人の喜びに溢れた、パリ上空でのライン・ダンス。
アリスティド・ブリュアンの"黒帽子に赤いスカーフ"は目立つなぁ。

・ルイ・ルグラン『ギター奏者』(作品101、1895年水彩・木炭)
GUITAR PLAYER
淡いグリーンの装飾の店内で楽しげに歌うギターウーマン。飲み屋の流しの雰囲気いっぱい。聴衆の態度に関係なく、自分の歌を披露することへの満足感が見られるな。
人生を謳歌する女性は美しい。

・ルイ・ルグラン『プライベート・バー』(作品101、1905年水彩)
PRIVATE BAR
店内の奥のボックス席でカクテルを飲み干し、黒人のホスト(?)の語りかけを扇子を揺らしながら耳にする女性。若い少女にも見える。その視線は店内にあり、意中の人物を気にしているのだろうか。更けゆく夜の一こま。画になる。

・ジョルジュ・ルルー『万国博覧会「光学館」-1900年の大望遠鏡のポスター』(作品125、1900年リトグラフ)
poster for PALAIS DE L'OPTIQUE, LA GRANDE LUNETTE DE 1900
人類の叡智の象徴とも言える"光の玉"を手に、女神が1900年パリ万博会場の一つ"光学館"を見下ろす構図。科学技術の発展の矛先が宇宙に延び、無限の可能性が感じられるポスターだ。

カフェ・コンセールや劇場のプログラム・メニューも展示されていた。印刷技術の粋を凝らした色鮮やかなパンフを手にするだけで楽しみだったんだろうな。

あちこちにジャポニスムの影響の強さを感じた。パリの小劇場に大々的に吊り下げられる多数の"赤ちょうちん"は、ミスマッチ感覚が新鮮だ。和扇子も面白い。
影絵芝居の『聖アントワーヌの誘惑』の一幕、『日本の神々』も強烈だ。風神・雷神、神話時代の女神、荒れる波、どろどろとした雲、富士山らしき背景。切り絵のような表現。北斎と光琳の影響と書かれている。

シャ・ノワールの3階で上演され、絶大な人気を博した影絵芝居が舞台装置ともども再現されていた。
土人の引くアフリカ象が地表に"真珠"を垂れ、そこに草花が生える。ただそれだけの映像に、音楽と口述が合体した"総合芸術"って?
いくら初公演で好評を得た記念碑的作品でも、現代日本でスカトロチックな芝居の再現はちょっと、なぁ……。

展示点数は中規模といったところだが、内容は実に濃い。もう一度行きたくなった。

伊丹市立美術館
陶酔のパリ・モンマルトル1880 - 1910
~シャ・ノワールをめぐるキャバレー文化と芸術家たち~
http://www.artmuseum-itami.jp/2011_H23/11chatnoir.html

2011年6月5日まで。ぜひ行くべし!

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