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2011年7月 2日 (土)

グリーン・ニューディール 環境投資は世界経済を救えるか

携帯電話とインターネットが社会を変革して20年。次の20年のキーワードが"Renewable Energy"、再生可能エネルギー・自然エネルギーであり、ガソリン車に変わる自動車、新規格住宅がITによって融合される社会の実現が目指される。
「文明の大きな転換点。RE、IT、EVの3つの技術の"相関"と"相乗"によって、グリーン・ニューディールはIT革命を越えるほどのインパクトをもたらし、世界を変える」
寺島氏の的確な表現だ。

州政府の権限の強いアメリカ。地域特性を活かした太陽光発電、大規模風車発電のダイナミックさは実にうらやましいし、オバマ政権の環境政策への力の入れようはダイナミズムそのものだ。翻ってわが日本では、電力会社の既得権益に縛られた経済産業省と新設された環境省の動きはバラバラで、環境問題に注目させまいと世論を潰す傾向すら感じられる。
で、気づけば、かつての太陽光発電先進国の地位から転げ落ち(2009年は6位)、慌てて自然エネルギーの固定価格買取制度を制定する有様だ。

本書にも明記されているが、アメリカ等と違って、日本の弱みは"全体最適を目指すシステム構築力"の不十分さにある。三菱重工の風力発電設備がテキサス州ロースコー発電所の3分の2を占めるなど、日本企業の高い技術力は健在だ。半導体、液晶パネルの二の舞にならないよう、産官学一体となって「グランドデザイン」を描く必要があるな。

それにしても、pHV、EV、スマートグリッド、V2G(Vehicle to Grid)、ソーラー発電の改良、家庭用蓄電池など、この先10年で社会インフラが大きく変わる。実に楽しみだ。
2年前の出版だから状況は変わっているだろうが、概要をつかむのにちょうど良い分量だった。なんとか仕事に活かしたいな。

グリーン・ニューディール 環境投資は世界経済を救えるか
著者:寺島実郎・飯田哲也・NHK取材班、日本放送出版協会・2009年6月発行
2011年7月2日読了

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