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2011年11月13日 (日)

世紀末泰西風俗絵巻 木村尚三郎

主に19世紀末ヨーロッパの名画を題材に、社会と人の意識の変遷、現代文明への連なりを解説し、新しい社会の転換期に生きるわれわれの在り方を問う。

"現代アート"なるものに僕はなじめない。壁面に石ころや機械部品を配置したりラインを引いた床面が"芸術作品"だと言われてもサッパリだし、二色のパステルで区切られた正方形が"○○賞を受賞した大作"だとしても、まるで理解できない。
ドガ、ロートレック、ルノワール、モネ、ゴヤ、ゴーギャン、等々。やはり西欧文明に育まれた中世絵画および近代美術に魅力を感じる。

・積極的に生きる意志を持った者とは、何よりも自分の足でしゃんと立つ者のことである。近代のブルジョワが市民革命を実現し、世紀末には労働者が立ち上がろうとしていた。人間としての誇りと自信の根拠がそこに現れる。(電気文明のダイナミズム)

・マネの「オランピア」は1863年の社会にあっては衝撃的だったと想像がつく。フランス帝国の栄光と勝利を暗示しているのは、その通りだろう。(白の交響曲)

・「グランド・ジャット島での、ある午後の日曜日」の二人の若い士官については、著者と見解が異なる。軍人だから、同時代をハッキリ見つめているとの解釈が成り立つのではないか。また、左中央のラッパ吹きが右向きであるのは、時代の先を照らす芸術家として、皆を鼓舞しているのではないだろうか。(p52)

個人的には、モネの「ラ・ジャポネーズ」に魅せられた。
違うな。衝撃を受けた。
カミーユ・モネ。夫の趣向に合わせるため、生来のブロンド髪を金髪かつらで覆い、妖艶かつ不敵な笑みを僕に向ける。誘う眼差し? 否、狩る目だ。(p85)

帝国主義時代をすぐそこに控え、未知の異国に楽しみと興奮を求める気持ち(p90)が、富の争奪戦へのフランスの参入を促す。アジア・アフリカへ向けられる探求心は悲劇をもたらすのだが、あとの祭り。

世紀末泰西風俗絵巻
著者:木村尚三郎、文藝春秋・1989年5月発行
2011年11月13日読了

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