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2012年3月24日 (土)

見知らぬ町 板東眞砂子

不思議な読後感を味わわせてくれる短編集。
『幸せな日々』
幸せを実感している専業主婦。永遠の今日に縛り付けられた幸せ。この世界から、日常から逃れたい心理の発露。
束縛の中で生きる人生こそ、真の自由と言えるのではないのか。

『銀世界へ』
近未来の日本社会を予想させる、胸の詰まるような日常。快適なオフィス勤務も、結婚生活も、すべて特権層のもの。あとは餓死か、肉体労働か、犯罪者になるか。
配給物資を背負って歩くボランティア女性。否、ボランティアとは便利屋稼業の別称と成り果てた。それでも、わずかな年金を持ち合って貧しさに耐える老人社会に"貢献"しているのだ。

『煩せえ』
どこかから聞こえてくる低音として表現された、若者独特の情緒の不安定さ。わかる気がする。

他に『天地創造』『足跡、買います。』『旅人たち』『転生』『日没』『ジャングル・ホーム』を収録。

見知らぬ町 岩波書店Coffee Books
著者:板東眞砂子、装画:磯良一、岩波書店・2008年11月発行
2012年3月24日読了

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