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2012年6月 2日 (土)

歴史発見! ロンドン案内 森正人 [読書記]

ローマ帝国の城塞都市"ロンディニウム"から、イングランド黎明期を経て、世界帝国への飛躍を支えた金融の中心地であり、現在もあらゆる分野に影響を響かせる都市、ロンドン。本書はシティ、ウェストエンド・ウェストミンスター、イーストエンドを巡りつつ、土地や通りの名の由来、災害復興を含む都市計画、飲食料のうんちく、近代文明を先導した社会インフラや機械装置など広分野に渡り、その"文化や歴史の襞"(p17)に触れる。

人文的・科学的・芸術的営みの集大成であるロンドンの深さがわかる。

・ロイズ保険組合とコーヒーハウス、"スコットランド・ヤード"と"ロンドン・シティ警察"の縦割り行政、国王の離婚が招いた国教会の成立とカトリックへの弾圧、歴史的建築物としての劇場、世界最初の天気予報、パブ、イン、タバーン、"イングリッシュ・ブレックファスト"、等々。
そうか……「カレーを食する男性はいかがわしい」のか……。(p180)

・地下鉄、電気トラム、二階建てバス"ダブルデッカー"、ロンドンタクシー。それにエコ、あるいはエシハス時代の要求に応え、2010年7月に登場したレンタル・サイクルのシステムも紹介される。

・観光者への英会話のアドバイスは実にシンプル。急に上手になるわけではないから「あきらめよう」か、納得だ。(p38)

さて、来月より2012年夏期オリンピックがイーストエンド地区で開催される。そもそも「貧困層の生活レベルを改善する計画」が五輪誘致の決め手になったはずなのに、結局は大会景気を見越したアッパーミドルが移り住むことで不動産が高騰し、貧困層の追い出しに拍車がかかるという、本末転倒な状況が顕れているという。想定外なのか、あるいは織り込み済みだったのかはともかく、全体視点ではイギリス経済の高揚に寄与することだろう。ユーロ圏の混乱をドーヴァーの対岸から眺めつつ、ひとりほくそ笑むジョン・ブルの得意顔が目に浮かぶようだ。

オリンピック熱が冷めてホテル代金(高騰中!)が平常値に戻ったら、まだ足を運んでいないグリニッジやカナリーワーフ周辺、ロンドン博物館を訪ねてみよう。晩秋か2013年の初春になるかな。

歴史発見! ロンドン案内
著者:森正人、洋泉社・2012年5月発行
2012年5月31日読了

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