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2014年7月 5日 (土)

二度目のパリ 歴史歩き バクスター [読書記]

本書は、街を彩り、民衆を沸かせ、貴顕を虜にした時代の寵児を軸に据え、3世紀から20世紀までの歴史の劇場としてのパリを”観る”エッセイであり、ガイドブックである。

・前半はやはり「偉大な軍人が、すぐれた統治者であると同時に、明確な歴史観」(p34)を持った人物、ナポレオンの章に引き込まれる。ルーブルの「戴冠式」に覧られる絶対的権力者としての自信と、時代の精神を前進させた手腕はとても魅力的だ。いまもパリの随所に残る彼の足跡は、フランス人の誇りでもあるのだろう。

・ユゴー『ノートルダム・ド・パリ』、椿姫その人、マリー・デュプレシの波乱の生涯、オスマン様式を決定づけたシャルル・ガルニエ。時代は下って、ジョセフィン・ベーカーにジャンゴ。彼らの熱い生涯とパリとは切り離せない関係だったとわかる。

・写真の革命家、ナダールのエキセントリックな人生には興味が沸く。それにエッフェルの太い人生!

・ロートレック、ユトリロ、プルースト、ダリ、ヘミングウェイ、ココ・シャネル。彼らの愛したカフェとキャバレーのいくつかは現存し、同じ雰囲気を味わえるとは!

・ひとつ不満があるとすれば、サラ・ベルナールの章の無いことだ。考えられないんだが。

・後半1/3は「パリ歴史歩きガイド」として、本文に登場した人物と事跡を巡るモデルコースと解説が記される。地球の歩き方とは違った解説であり、複合的視点から有意義なガイドとなる。

パリを生きた彼らの魂に共鳴し、名所の由来を識れば観光の楽しみは倍増しそうだ。
この夏、二度目のパリを楽しむぞ!

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Chronicles of Old Paris, Exploring the Historic City of Light
二度目のパリ 歴史歩き
著者:John Baxter、長崎真澄(訳)、ディスカバー・2013年6月発行
2014年7月5日読了

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