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2014年12月24日 (水)

男ひとり旅の美学 2014年9月 ハノイ その3

■軍事歴史博物館

食後、タクシー(20,000ドン)で軍事歴史博物館へ。入場料70,000ドンはちと高い。

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「ベトナムの近代戦争におけるベトナム軍の歴史を紹介した博物館」
ここは気に入った!

独立戦争期の写真パネル、フランス植民地軍将校の遺品、銃弾痕の痛々しいヘルメットの残骸、等々
1954年のディエンビエンフーの包囲戦の巨大ジオラマは圧巻だ(写真がないです)。
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やはり対米戦争時の展示には力が入っている。
・ホーチミンによる南北ベトナムの統一までの軍需品、写真パネル、地下塹壕の模型、等々
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・サイゴンの大統領官邸へ進撃したT54戦車。これは国宝らしい。
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・米軍機を14機撃墜したMIG21戦闘機。これも国宝。
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・鹵獲(ろかく)された米軍機の残骸が大々的に展示されていた。
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非人道的な爆弾はアメリカ製。
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・国家総動員体制とはいえ、女性兵士の姿が大々的にクローズアップされていた。この土着パワーには勝てないな。
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これは国旗掲揚塔。隣接する旧ハノイ城跡の一部であり、世界遺産なのだ。
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■タンロン遺跡

だだっ広い。でも、これが「世界遺産」と言われてもピンと来ない。

・端門
ほとんど唯一完全な形で残された正門。
楼閣の上から全体を見下ろせるとのことだが、特段の感動はなかった。
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端門の前には見事なベトナム式(?)盆栽が並べられていた。また植樹、フランス式庭園の整備等も行われており、観光客だけに閲覧を許すのはもったいないと思った。
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・敬天殿
ここの見世物は「龍の階段」で、「殿上人」のみここを昇ることが許されたそうな。

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宮殿のあった場所には博物館が建てられ、発掘された遺跡や古代の地図などが展示されている。
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■北ベトナム軍司令部

タンロン遺跡はだだっ広い。でも、これが「世界遺産」と言われてもピンと来ない。
その一方、中にある場違いな軍事作戦司令部は良かった。
フランス軍が、後に北ベトナム軍が使用した緑色の建築物がそのまま残されており、これこそ観光価値の高いものだろうに。

野戦用電話機や暗号装置らしきものが残されている。
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目玉は、原子爆弾の攻撃にも耐えられるシェルターとして地下10mに設けられた地下指令室「D-67」だ。
第二次世界大戦中のイギリスの「War Cabinet」を彷彿させ、やる気が十二分に伝わってくる。
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出入口はこんな感じ
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■ハノイ教会

16時50分にタンロン遺跡を退出し、南へ向かう。ここからが長かった。
歩いて、歩いて、迷って、あさっての方向(南西)へ出てしまい、GOOGLE-MAPで修正だ。
歩道にはバイクが、店先の商品が並び、人々は車道を歩かざるをえない。そこをバイクと車が疾走するのだからたまらない。事故の少ないのが不思議だ。

どうにかハノイ教会へたどり着く。中へ入って休憩だ。
ちょうど、ミサが執り行われていた。
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■ホテル・メトロポール・ハノイ
(ソフィテル・レジェンド・メトロポール・ハノイ)

観光の最後は再びのホアンキエム湖だ。
売店で500mlペットボトル水を買うと、すまし顔の店員は「50,000ドン」とぬかしやがった。再確認すると「10,000ドン」になった。油断ならないな。

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18時にホテルへ戻る。再び「ル・クラブバー」へ。
・メトロポール・シャーベットセット
・カプチーノ
・スパークリング水withライム
で生き返った。(646,000ドン)
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朝に注文したマカロンを受け取る際、ホテルのスタッフに声をかけられた。
「昼間、ル・クラブバーでビーフを注文してくれましたね」
服装からしてマネージャー、あるいは支配人クラスだろう。
マカロン・ショコラショップの店員は、とても偉い人だと言っていた。
そういえば、この人にも給仕してもらったんだったな。


ハノイそのものは、途上国かつ社会主義国家らしく、お世辞にも楽しいところとは言えない。
それでも印象は悪くないのだ。
これは本当に、ホテルの素晴らしさによるところが大きい。

これまで宿泊した中で、Hotel Metropole Hanoi(Sofitel Legend Metropole Hanoi)はパーフェクト。
最上のサービスを受けられたと思う。
これで、パリの三ツ星オンボロホテル(日本のビジネスホテル以下)よりも宿泊費が安価なのだから愕然とさせられる。

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■帰国です

ホテルにマイリン・タクシーを呼んでもらい、19時10分に出発。
ホテルのドアマンもプロだったな。
ビュンビュン飛ばして19時55分に空港到着。
メーターは380,000ドンだったがチップ込みで500,000ドンを奮発。

20時35分に出国。あまりにも到着時間が早すぎた。3階のレストランへ。
・ビール「BIA HA NOI」を2本
・牛肉入りフォー
・シーフード揚げ春巻き
450,000ドン。
高級レストランのものより数段劣る。美味とは言えないなぁ。
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22時55分にレストランを出る。

23時55分にボーディング開始。バス移動のせいなのか、優先搭乗なし。SKY PRIORITYの看板が泣くぞ。

24時20分に離陸後、機内にガスが充満したのには驚いた。冷却剤か、はたまた殺虫剤か。
害は無いものの気分良いものではないな。

朝食はお世辞にも食えたものではない。僕でさえ半分を残した。

4時32分に関空到着。6時45分に再入国完了。

残金1,080,000ドンを両替すると……わずか5,076円だった。

ベトナム航空は万事につけ事務的・義務的な対応で、愛想笑いひとつなし。ダメだな。


■戦争の悲しみ バオ・ニン Bao Ninh

ハノイに初めて空襲警報が発令された1965年春の夜。その描写がある。
「国鉄ハノイ駅に並んでいた数十の機関車が一斉に汽笛を鳴らし、オペラ・ハウスのてっぺんからサイレンの叫びがおどろおどろしく都心一帯に響き渡った。……人々は初めて経験したその凶暴な大音響に驚愕し、次いで狼狽し、心臓の鼓動も止まるほどの恐怖に駆られて右往左往した。ドアを荒っぽく開閉する音。階段を急いで走り下る足音。それに街区ごとに設置されていた広報伝達用のスピーカーの叫び声。『同胞の皆さん、同胞の皆さん、敵機が接近しています、敵機が……』」
(池澤夏樹=個人編集 世界文学全集Ⅰ-6巻所収、THAN PHAN CUA TINH YEUよりp333、井川一久訳)

僕の歩いたハノイに戦争の痕跡は見えなかったけれど(ロンビエン橋の破損を除く)、2010年9月に読み終えたこの小説のことを思い出した。
なぜだろうと、街を見る。
猥雑なほどの活気に溢れた市場、バイクの群れが所狭しと疾走する大通り。国家建設に向けてであろうスローガンを大書きしたバナーがあちこちに翻り、希望に満ちた未来像を示すプロパガンダ・イラストが点在する街。
日本と何もかも違う。
違う。何かが異なるのだ。
そうだ、老人の姿が見えないのだ。
いないわけではない。けれども中国やEU諸国、北米大陸では元気に闊歩していた爺さん、婆さんの姿が圧倒的に少ないのだ。
戦争の影響がないはずがない。愕然とさせられる。かつて自らの国を占領し、統一後も故郷を攻撃し、果ては戦略爆撃機で攻撃し、近親者を殺害し続けた欧米人観光客を、昨日も今日も明日も笑顔で迎えなければならないハノイの人たち。
その苦悩、察するに余りあるが……強く生きるしかない。


ハノイ弾丸旅行記、終わりです。ありがとうございました。

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