« 千駄木の漱石 森まゆみ [読書記] | トップページ | 繊細な真実 ジョン・ル・カレ [読書記] »

2016年11月 6日 (日)

エアー2.0 榎本憲男 [読書記]

東京オリンピックメインスタジアムに仕掛けられた爆弾の意外な起爆装置解除の条件。それは、主人公中谷に予想外の大金をもたらし、「おっさん」との奇妙な共同生活始めさせる。
空気を読むシステムの構築と、国の有する「あるビッグデータ」の入力によるブラッシュアップ。物語の基軸となるこの着想が素晴らしい。

福島の復興と原子力発電所。これらが本作の影の主役でもある。そして財務キャリア官僚、現場警察官、テレビ局員。立場の異なるそれぞれの正義がぶつかり融合する。

「おっさん」の正体が明かされてからの展開は清々しい。科学的合理性を追究し尽し、その先に見えてくるものは何であるのか、人はどう対峙すればよいのか。人生の意味とは。そんなことを考えさせてくれる傑作であった。

エアー2.0
著者:榎本憲男、小学館・2016年10月発行
2016年11月5日読了

Dscn9535

« 千駄木の漱石 森まゆみ [読書記] | トップページ | 繊細な真実 ジョン・ル・カレ [読書記] »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134563/64451488

この記事へのトラックバック一覧です: エアー2.0 榎本憲男 [読書記]:

« 千駄木の漱石 森まゆみ [読書記] | トップページ | 繊細な真実 ジョン・ル・カレ [読書記] »

フォト

他のアカウント

おすすめ本

見て下さいね!

  • BMW Japan
    愛車の2001年式E46 320i Mスポーツは快調ですが、E90 3シリーズクーペも魅力的です! 335i、誰か買ってくれないかな~~
  • United Nations Peacekeeping
    現代のアメリカ帝国の一方的かつ傲慢な「強者の論理」がまかり通る世の中ですが、国連経済社会理事会はまだまだ機能しています。そしてPKOの理念もまた!
  • 『ル・モンド・ディプロマティーク』日本語・電子版
    日本に存在しないものの一つが「クオリティ・ペーパー」だ。この大陸欧州(コンチネンタル)の知性が、日本語で堪能できるのです! インターネッット様々ですね。
  • BBC NEWS | News Front Page
    英連邦の残滓は資産でもあります。日本のメディアにほとんど現れることのないアフリカ、南アジアの記事が豊富です。
無料ブログはココログ