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2016年12月16日 (金)

2016年8月 ポーランドの旅 その6 [男ひとり旅の美学]

2016年8月11日(木) アウシュヴィッツ強制収容所跡に立つ。

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膨大な犠牲の上に「人道に対する罪」の法概念が生まれ、いまに活かされているのだ。


最悪。寝坊で8時に起床、朝食抜きだ。天候は曇り。
ホテル前の商店でパン、紅茶、水を買い込む。17PLN。

ポーランド観光最終日は「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所・現地日本語ツアー」に参加するのだ。

ホテル前で待つこと10分、8時50分にロビーからツアーガイドが出てきた。行き違いでしたか。
このポーランド人女性ツアーガイド、日本語がすごく達者で本当に驚いた。

この現地ツアーは実に当たりだった。お奨めです。
http://www.veltra.com/jp/europe/poland/krakow/a/132630
アウシュヴィッツ強制収容所 日本語アシスタントがしっかり解説!日帰り見学ツアー<日本語/少人数制/クラクフ発>

8時42分にミニバスは出発。ツアー参加者は7名、全員が日本人。

アウシュヴィッツまで70km、約1時間かかる。失敬して車内で朝食のパンをいただくことにした。

残念、雨が降ってきた。

ガイドから説明。
このツアーでは「アウシュヴィッツ強制収容所1号」を2時間、「アウシュヴィッツ強制収容所2号」(=ビルケナウ強制収容所)を1時間かけて見学する。
そして荷物だ。持ち込めるバッグはA4サイズまでとは厳しいな。
で、こんな重要なこと、地球の歩き方(2014年度版)のどこにも書いていないぞ。

10時10分に「アウシュヴィッツ強制収容所1号」に到着した。
多数のバス、ミニバス、乗用車が停まっている。チケット売り場も入場ゲートもすごい行列になっているが、われわれツアー参加者は待ち時間ゼロで入場できた。これが現地ツアーの利点だと知る。
セキュリティチェック&荷物サイズチェック。個人参加の外国人が数人、荷物制限(A4サイズ)に引っかかっていた。
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■アウシュヴィッツ強制収容所

有名な「働けば自由になる」のゲート
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人道に対する罪。その象徴的かつ露骨な組織的大量殺人現場となったここ、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所には一度来たいと思っていた。

ガイドはナチスではなく「ドイツの犯罪」であることを主張していた。まったくその通り。
イスラエル軍の集団が軍服で闊歩していたのには、まぁ納得か。(写真は自粛)

ガイドツアーでは4号棟~7号棟(ユダヤ人収監、殲滅犯罪の証拠、生活・衛生状況)、11号棟(裁判所・銃殺場)の内部を見学し、あまり広くない敷地を巡り、焼却炉を見ることとなった。
5PLNで購入した日本語パンフより見取り図を拝借。
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ガイドの説明によると、このアウシュヴィッツ1号は、最初は純粋にポーランド人の反体制派を収監していたが、次にソ連人捕虜の収容を、次にヨーロッパ中のユダヤ人の収監を始めた。
1941年から1942年にかけて収監された1万人中、生存者は600人のみだったという。
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最終的に1945年までに130万人もの人々が収監されたという。うち110万人がユダヤ人、ポーランド人15万人、ジプシー2万3千人、1万5千人のソ連軍捕虜、と説明パネルにあった。

「移住」と騙されてアウシュヴィッツへ連れてこられる人々
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収監時の登録カードと顔写真。後半は効率良く刺青に変更された。
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収容者はまず財産をすべて没収され、髪を刈られる。その量、実に7万トン。髪は綿に混ぜられて布製品となる。
大量の髪(主に女性の)が展示されていたが、遺族の感情を考慮して撮影禁止とされていた。
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没収された私有財産の一部。生活用品の多さが悲しい。
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強制労働の日々。看守は囚人から選抜された者たちだ。彼らは自身が生きるために仲間を虐待する。
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女性も子供も囚人だ。労働量は成人男子と変わらず、バタバタと死んでいったという。
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双子は人体研究・実験の対象。使い捨て。
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食料は一日当たり1,500キロカロリー。カロリーだけが目的なので、小麦ではなく木粉などがスープに混ぜられたという。
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終戦まで生き残った女性。75kgから25 kgに。
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1944年に囚人が撮影した「焼かれる」女性の写真
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銃殺場。裁判は一人当たり1分。ほぼ全て死刑判決&即時執行
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看守への叛逆者には公開処刑場が待っている。
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脱走者は900人、うち230人が成功したという。
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いちおう病院もあり。その目的は病原を患者に移し、その進行の過程を研究するためのもの。治療は行われない。
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ガス室と焼却場。生涯をこんな場所で残酷に終わらされる、その無念、怨み、悲嘆が冷たい壁から伝わってくるよう。南無。
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12時50分にアウシュヴィッツ1号を出る。入場ゲートは夏のルーヴル美術館を思わせる恐ろしい行列。2時間待ちか? ツアーに参加して良かったと思う。
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バスで移動すること10分、ビルケナウ強制収容所跡(アウシュビッツ強制収容所2号)に到着。
ここは最初からユダヤ人を収監・殲滅する目的で設営されたという。
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効率よくユダヤ人を運んできた鉄道貨車。
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鉄道の引き込まれた「死の門」、政府に反対したドイツ人もここで処刑された。
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1棟に300人が収監された。ベッド(といえるのか?)は3段、トイレは1日2回のみ。
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焼却炉。地下はガス室だ。
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■膨大な犠牲の上に「人道に対する罪」の法概念が誕生し、われわれの世界に活かされている。

1947年、元所長のルドルフ・ヘスは敷地内で処刑された。アウシュヴィッツ強制収容所跡に、絞殺現場が保管されている。
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併設されたカフェレストランで遅い昼食を摂り、14時45分にビルケナウ収容所跡を後にした。
16時10分、旧市街地の外れでバスを降りた。雨は上がったな。



人類の負の世界遺産の姿、しかとこの目に焼き付けたぞ。


続きます。

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