2017年12月17日 (日)

『ガラスの仮面』展 美術館「えき」KYOTO

連載40周年記念ということで足を運んできた(2017/12/16)。

広くない会場の95%を占めるは、やはり女性だ。当時のカラ-版を含む原稿が多数、ガラスパネルに納められ、それを見るだけで熱いストーリーがわかる。
王道を行く大河ロマン。本物は、やはり良い。

僕は男だから興味なし、のはずだった。何を間違えたか、レンタルビデオ店で手にしたアニメ版『ガラスの仮面』に心を奪われたのが2000年代という……。

で、「紅天女」って、まだ決着がついてなかったんだな! 昭和、平成、そして次の時代へ持ち越されることになるとは。
原作者の池内すずえ氏のパワーはスゴイな。見習わないと!


芸術に触れるのは小さな非日常。空間とともに楽しむのが吉だな。

『ガラスの仮面』展
美術館「えき」KYOTO
2017年12月25日まで開催
http://www.asahi.com/event/garakameten/

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2017年3月12日 (日)

ミュシャ展 鑑賞記(国立新美術館)

「たどり着いたのは、故郷への思い」
ミュシャ晩年の壮大な『スラヴ叙事詩』20点全そろいのチェコ国外展示は世界初とのことで、神戸から東京まで出向いてきた。
(2017年3月11日)
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銀座に前泊して9時40分に国立新美術館に到着。チケット売り場は大行列(200人~)。前売り券を買っておいて正解だった。
コインロッカーにコートを預け、2階の特別展示室へ。すでに300人近い行列が……。
10時を待たずに開場してくれた。

・スラヴ叙事詩は、三つの部屋に展示される。最奥の部屋では、なんと写真撮影が可能だ。日本の美術館では珍しい試みだ。
・音声ガイド(520円)は必須。檀れいさんの優しくもハッキリした声はとても聴きやすかった。

■いきなりの巨大絵画に圧倒される!
これは第一作目の『原故郷のスラヴ民族』だ。背景に攻め寄せるは異民族、焼かれた村。手前の草叢に隠れておびえるは素朴な村人、すなわちスラヴのアダムとイブだ。その光る目の印象は強烈だ。おびえなのか、何かへの決意なのか、はたまた祈りなのか……。
天空には無数星々。空中に浮かぶ巨大なスラヴの神は、「平和」と「戦士」を従え、何を願うのか。

『スラヴ式典礼の導入』
スラヴ語での布教を認める布告を読み上げるローマ教皇の使節を迎えるモラヴィア国王。人間世界の典礼を天空から見守るは、天空に浮かぶ先代の国王とロシアとブルガリアの皇帝たち。
まるで舞台を彷彿させる構図。手前の逆光で活写された青年の力強さ!彼の右手に握る輪は「団結こそ力である」を意味するそうだ。

『フス派の王、ボジェブラディとクンシュタートのイジー』
場所は華麗なプラハ王宮。中央の豪奢な赤い法服・ローマ教皇の使節が30年前の協定を破棄し、スラヴに服従を迫る。議会によって民主的に選出されたボヘミア王イジーが椅子を蹴り倒し、ローマに公然と対峙する構図。
民主政v.s.神政の決定的な瞬間をとらえた、個人的にベストの一枚。

『イヴァンチツェの兄妹団学校』はミュシャの夢見た理想郷。手前左の盲目の老人に聖書を読み上げる青年こそ、若き日のミュシャ。画家の想いが存分に現れた一枚だ。
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『スラヴィ民族の讃歌』
クライマックス。
米国旗の目立つのは、チェコ独立を支援してくれたアメリカ人への御愛嬌か。
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展示室はこんな感じ。
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■パリ時代の傑作は永遠だ。
三つの大部屋を過ぎると一転、アール・ヌーヴォー全盛期の華やかなパリ時代のミュシャ作品が現われる。

四つの花『カーネーション』『ユリ』『バラ』『アイリス』、四芸術『詩』『ダンス』『絵画』『音楽』に続き、サラ・ベルナールのポスター5点。『ハムレット』こそ傑作だと思う。ウミロフ・ミラーも面白い。このコーナーは堺市のものだ。

■世紀末の司祭
1900年パリ万博。ベル・エポックの最盛期の祭典で、ミュシャは故郷ボヘミアをイメージしつつ、オーストリア=ハンガリー帝国政府の要請による作品を提供する。ここでは、ボスニア・ヘルツェゴヴィア館とオーストリア館の装飾の一端が垣間見られる。

意想外の収穫は、プラハ市民会館のイメージスケッチと下絵だ。歴史上の偉人を描いた絵画は構図・描写・背景ともどもミュシャらしさに溢れ、どれも一見の価値がある。個人的には『闘う魂-ヤン・ジェシカ』『警護-ホットの人々』が気に入った。

他に
■独立のための闘い
■習作と出版物
のコーナーがあり、チェコ独立後の作品、ミュシャデザインによるチェコ切手・紙幣の現物が展示されていた。


こうして画家の一生を通じての作品を目にする機会はあまりないだけに、大きな感動を得られた展示であった。2時間なんてあっという間。
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■ポール・ボキュール・ミュゼ
リヨン郊外の本店は敷居が高すぎて断念したが、国立新美術館3階のはブラッスリーということで、入ってみた。
10人待ち。一人客もいたので安心した。
ランチとチェコワイン(グラスワイン)は美味。見た目も良し。
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今度は誰かと、また来よう。

芸術に触れるのは小さな非日常。空間とともに楽しむのが吉だな。

ミュシャ展
2017年6月5日まで開催
国立新美術館
http://www.mucha2017.jp/

2017年2月18日 (土)

『ファッション都市神戸』展&『パリに生きる パリを描く』展鑑賞記

1920年代の服飾が気になり、六甲アイランドへ出向いてきた。
(2017年2月18日)

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神戸開港1868年1月1日から1990年代までのモードの変遷が一望できる展示。洋菓子、木工、清酒、コーヒー、アパレルなどの地場産業の紹介も。
個人的には、1920~1930のものとされるライトブラウン・シルクの「ワンピースドレス」が気に入った。
ビデオ展示では、まさか昭和5年の神戸港大観艦式(潜水艦を含む艦艇160隻、航空機70機)の映像を見ることができるとは思わなかった。

神戸ファッション美術館
http://www.fashionmuseum.or.jp/
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併せて、小磯記念美術館で開催中の特別展『パリに生きる パリを描く』も観てきた。

お気に入りを何点か。

■梅原龍三郎「Paris Landscape 巴里風景」(1965年)
大胆な筆のタッチに街の活気が漲るよう。

■大橋了介「In Paris パリにて」(1929年)
灰色の空から、おそらく冬の午前中の裏路地を描いたと思われる。路地右手を行くは花売り車だろうか。
街の色彩の豊かさが心地良い。

■里見勝蔵「Cafe In Nesles-la-Vallee ネル・ラ・ヴァレのキャフェ」(1924年)
手前左の赤いカフェのみならず、低い空の存在感が特筆される。

■荻須高徳「"Aveille", Montmattre モンマルトル”アベーユ”」(1973年)
もう一度、あの高台に行きたくなる。

神戸市立小磯記念美術館
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/koisogallery/

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芸術に触れるのは小さな非日常。空間とともに楽しむのが吉だな。

2016年7月12日 (火)

2016年6月 横須賀軍艦めぐりとルノワール的な東京の旅 その3 [男ひとり旅の美学]

■ルノワール展 その色彩は「幸福」を祝うために。

2016年6月19日(日)曇り

印象派時代の最高傑作「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」初来日!ということで、この日は、年始から楽しみにしていたルノワール展を観て愉しむのだ。

http://renoir.exhn.jp/
ルノワール展 オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵
国立新美術館 2016年8月22日まで。

9時30分にチェックアウトし、地下鉄千代田線・日比谷駅から乃木坂駅へ。10時15分に入場。ものすごい人だかりだ……。
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オーディオガイド500円。こういった展示会では必須だ。

お気に入りの作品を何点か。
「ぶらんこ」(1876年)
木漏れ日の光がドレスの上に咲いた蝶結びの紫の花に降り注ぐ(ゾラ「愛のページ」)、そのイメージそのものだ。
僕は、端の少女の「私も乗ってみたいけれど、できるかしら」的な表情が気に入った。

「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」(1876年)
以前のパリ旅行の際にオルセー美術館に展示されておらず、観ることができなかったのだ。
これは別格の美しさ。眼前1メートルの距離で鑑賞できて満足だ。
ワルツ、ポルカを踊る無数の人々。魅力的なポーズの友人たち。
空は描かれていないのに、空間の広がりと強烈な光のあふれ出る様子が、人生の幸福感と合わせて画面いっぱいに表れている。
光と影を濃いブルーで表す技法といい、左奥で「私はもうあなたと踊らないわ」と失望の表情を隠さない女性と焦る男の姿といい、いや、素晴らしいものを見せてもらったぞ。

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「田舎のダンス」(1883年)
僕はこちらのほうが好きだ。
この素晴らしい表情のモデルは、後にルノワール夫人となるアリーヌだ。実は本作のモデルはシュザンヌで内定していたのが、アリーヌが嫉妬して強引にモデルになったとか。
踊る男の衣服が、現在のジャケパンスタイルになっている。われらの衣服の源流を観るようで面白い。
テーブルには飲みかけの酒、床に落とした帽子……酔って踊るは人生の楽しみそのものってことだな。

「都会のダンス」(1883年)
上流階級の舞踊を表現しているが、ルノワールが思いを寄せたサーカス団の踊子、シュザンヌがモデルだ。で、ルノワール氏はシュザンヌとアリーヌとを両てんびんにかけていたのか……。

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他にピカソ「白い帽子の女性」、ジャン・ペロー「夜会」等を含め、103点の作品が展示されていた。

美術館2階のカフェSalon de The RONDでベーグルサンドセットをランチとした。
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13時15分に退場。うん、「人生の幸福」を実感できた。芸術はこうでなくっちゃ!
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■秋葉原はすごい熱気

ほぼ15年ぶりの秋葉原は大きく変わっている。これは「文化都市への進化」だと信じたい。
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ここではクロムクロ展を見た。まぁまぁだな。

16時11分に秋葉原駅から東京駅へ向かう。ギリギリじゃないか。


16時50分に東京駅よりのぞみ51号に乗車。
実は、人生初のグリーン車だったりする。実に快適なシートだ。

大玉ほたてと大漁ウニ弁当(1,700円)には満足だ。
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定刻の19時56分に西明石へ到着
ルノワール展は8月22日まで。米空母も現物を見てみたい。もう一度行きたいな。


駄文にお付き合いくださり、ありがとうございました。

2016年5月26日 (木)

2016年3月 関門海峡とラファエル前派的な山口の旅 その3 [男ひとり旅の美学]

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2016年3月27日(日)
この日は山口へ移動し、美術館で「ラファエル前派展」を鑑賞するのだ。
移動時間がとてつもなく長いのは仕方がない。モリエール「人間ぎらい」を読んでしまおう。

門司港ホテルの部屋から関門海峡を望む。関門橋とはね橋。なんか、ロマンがないな。
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朝食はビュッフェ。ふくのあぶり身は絶品だった。

門司港ホテル。内外装・アメニティとも最高でした。朝食は待ち時間を改善しないとね。
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旧大阪商船(大阪商船三井船舶・門司支店、1917年)の1階、門司デザインハウスで、お気に入りの土産(フラワーベース)を買うことができた。荷物になったが。
http://www.mojikodh.com/

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国際友好記念図書館は大連の東清鉄道汽船会社事務所を再現したそうで、外観、蔵書とも気に入った。
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■山口への長い長い鉄道旅行

10時30分にJR門司港駅を出発し、門司~下関~新山口~山口へ至る。
移動時間148分、疲れました。
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■山口県立美術館「ラファエル前派展 英国の夢」
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2点、心に響いた作品あり。
(1) John Everett MILLAIS 「A Dream of the Past : Sir Isumbras at the Ford」
(いにしえの夢:浅瀬を渡るイサンブラス卿)
金の鎧を纏う優しい目つきの騎士が黒馬の上で二人の子供を抱え、浅瀬を渡る。騎士に夢中でしがみつく幼子と、少女のまなざしが実に良い。

(2) Charles Edward PERUGINI 「Dolce far Niente」
(甘美なる無為)
見ていて心地よい美しさ。心が落ち着くな。
これがそのまま、パンフレットの表紙と裏表紙になっていた。
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遠路はるばる来て良かったぞ。

美術鑑賞の後はケーキと決まっているので。
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美術館を出る。県庁、市役所のすぐ近くなのにタクシーが全然通らないぞ。……日曜日か。

明治維新150周年とかで、ローカルで異様に盛り上がっているな。
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■国宝 瑠璃光寺五重塔

パークロード、国道9号線、細い田舎道を歩くこと15分、瑠璃光寺五重塔へ到着。
1442年に建立。「西の京、山口」のシンボルだそうな。
桜がきれいだ。
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15時40分に観光終了。
山口駅到着は16時7分。瑠璃光寺五重塔で一緒になった御婦人(おばちゃん)と隣り合わせた。

新山口駅で山口地ビールを試す。美味。
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17時14分に新山口駅よりさくら562号に乗車。
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旅の〆はふく寿司です。
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門司港駅が改装し終えたら、もう一度行きたいです。

駄文にお付き合いくださり、ありがとうございました。

2016年2月23日 (火)

2015年4月パリとリヨン その8 [男ひとり旅の美学]

2015年4月30日(木)、快晴

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(ベルクール広場のルイ14世)

リヨンのホテルを1泊延長し、ジュネーブのホテルはキャンセルした。
飛行機も5月1日片道分を予約した。
で、この飛行機代が正規料金(!)なので、えらく高くついたのです。

朝食後、ベルクール広場の傍にある薬局に出向く。緑十字は世界共通でわかりやすい。
Efferalganを購入。5.5ユーロ。
10分歩くだけでも辛い。困ったぞ。

で、ホテルへ戻ると爆音が……。フェラーリが間をおいて2台、しかも1台は美女付き。
そういえば、朝食時のレストランではヤケに体格の良い男たちが多数いたが、プロのスポーツ選手のようだ。フロントにも○○のカンファレンスとあったから、プロサッカーチームか何かだろう。

午前は部屋でゆっくりと過ごす。

■市内周遊オープンバスに乗る

午後、ベルクール広場へ出る。最後にリヨンの街を一周しようとオープン・ツアーバスに乗ることにした。
これなら足に影響はないだろう。

15時発のバスに乗る。Lyon City card利用で5ユーロ割引の17ユーロ。
2階は屋根なしの開放席で、風が心地良い。

旧市街と半島中心部を巡るルートで、昨日出向けなかった半島の北側、南側も観ることができた。

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パリではフランス国旗+EU旗が掲げられているのをよく見たが、ここリヨンではリヨン市の旗+EU旗のパターンが多かったな。
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夕食はルームサービス。ミネラルをたっぷり摂取しないとね。
 Fresh Vegetable Soup
 Minced steak with fried egg
 Darjeeling tea
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■2015年5月1日(金)、帰国です
6時10分起床、外は雨だ。
7時50分にチェックアウトし、一路、リヨン・パール・デュー駅へ。
8時5分にリヨン・パール・デュー駅到着。タクシー代15ユーロ。

リヨン・サンテグジュベリ空港まではローヌ・エクスプレスなる専用列車を利用する。
8時15分に乗車・出発。チケット自販機で苦戦していたら「乗車後に車内で購入するんだよ」と誰かが教えてくれた。メルシー。
15.8ユーロ。空港まで結構高くつくなぁ。

車窓はパリとまるで異なる。日本の新興住宅地と言われても違和感のない光景だ。

ちょうど30分後にリヨン・サンテグジュベリ空港駅に到着した。
この駅の構造は興味深い。
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空港でフランスのアニメ雑誌を3冊購入。17.9ユーロ。
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リヨン空港にも小規模ながらエールフランスのラウンジがある。カフェ・マキアートとクッキーで小休止。

11時7分、パリCDG空港行きAF7641便take off。機内では紅茶が出たが、ビジネスクラスだとティーパックすら別物なんだな。

それは良いのだが、CDGへは12時15分に到着した。予定より15分遅れ! 大阪行きのAF292のターミナル2Eはこの2Fから遠い。自然に速足になる。ええい、2E行きシャトルバスがなかなか来ない。
小走りでボーディングタイムギリギリの12時50分に出発ゲートM28に到着すると
「出発は10分以上遅れる」ときた。あのなぁ。

おかげで、お土産のマカロンを購うことができたのだが。

エールフランスのビジネスクラスは正解。左足を延ばして休むことができた。

乗客が少ないため、今回はビジネスクラス横並び3席を占有できた。実に快適。
でも、期待していた食事は、なんだかショボイぞ。
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しかも、プレミアムエコノミークラスはタッチパネル式の10.4インチ液晶パネルなのに、ビジネスクラスはタッチパネルじゃないとな。
何ということだ。
食事も1年前より明らかに劣化してるし、「乗りたい」との気持ちが失せるな……。
エールフランスは、料金半額のプレミアムエコノミークラスで十分なのかも。
いやいや、やはりトータルサービスはビジネスクラスの方が上だな。

映画『アメリカン・スナイパー』はイラク戦争時の伝説の狙撃兵が主人公。残酷シーンあり。帰国後の精神的不安定からの脱却と突然の死。でも英雄であることは間違いない。

23時45分(6時45分)、朝食が出る。う~ん。エコノミーよりはマシか。
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外気は-60℃。

8時40分に無事に帰国できた。良し。


【今回の旅の教訓】

1.無理して歩いてはいけない。メトロやバスを有効活用するべきである。
2.計画的な行動が重要だな。

駄文にお付き合いくださり、どうもありがとうございました。

< La Fin >

2016年2月22日 (月)

2015年4月パリとリヨン その7 [男ひとり旅の美学]

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2015年4月29日(水)、8時起床、晴

永井荷風の『ふらんす物語』にしつこく登場したローヌ川を見下ろせる部屋を選んだ。
素晴らしい眺望! ローヌ川の流れは早い。

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朝食はコンチネンタル・ビュッフェだ。これは美味だった。
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さて、お散歩開始。
ベルクール広場のインフォメーションセンターで地図をもらい、Lyon City cardを購入(2日券。32ユーロ)


■リヨン歴史地区、ガダニュ博物館

1998年に世界遺産に登録された一帯。なるほど、中世の趣があって実に良いが、完全に観光地化している。
ソーヌ川を越えて旧市街へ。
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ジャン教会からサン・ポール教会あたりが旧市街のハイライトか。良い雰囲気だ。

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さらに細い道を逆向きに南へ歩く。
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Musse Gadagne ガダニュ博物館へ。思ったより大きい。
内部の二つの博物館のうち、リヨン歴史博物館を観る。
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なるほど、ローマ時代のガリア植民地の首都だった街はシルクで発展し、ナポレオンを迎え……。
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■フルヴィエールの丘からリヨンの街を見下ろす

ケーブルカーでフルヴィエールの丘を登る。Lyon City cardでフリーパス。
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ノートルダム・ド・フルヴィエール・バジリカ聖堂はすぐだ。
風景を愉しみ、聖堂内を見学しつつ、時間を待つ。
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14時20分、聖堂内ツアーの受付が開始された。Lyon City cardでフリーパスだ。
ギリギリ人数内に入れた。

で、まさか、集合場所=スタート地点で立ちんぼのまま、わからないフランス語の説明を30分も延々と聞かされるとは思いもよらなかった。
すでに足は棒になり、階段を昇るのが辛い。
なるほど、周りに外国人は少なく、説明に頷きあって、ほとんどフランス人なのか……。

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よく見れば展示の説明書きにも英語はなし。フランス第二の都市なのに、これはないよ。
その後も長い説明が繰り返される。不機嫌。
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だが、塔の頂上から見下ろす光景は、溜まった不満を一掃してくれた!

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ツアー終了は16時。長かったな。
隣接するカフェで小休止。カフェオレは3ユーロ。


■ローマ時代の遺跡
紀元前43年にできたとされるローマ劇場跡。収容人数1万人?
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リヨンがローマの植民都市だった時代の遺跡を展示するガロ・ローマ博物館を観る。
ここもLyon City cardでフリーパスだが、正直、遺跡は見飽きたな……。

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■ソーヌ川クルーズ

ケーブルカーで丘を降り、クルーズ船乗り場へ。
18時、ソーヌ川クルーズ開始。正確にはボートツアーだけど。
Ile barbeバルブ島までの1時間コース・最終便だ。

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まぁまぁかな。


■エマージェンシーです。

19時30分にホテルへ戻る。夕食はまたルームサービス。
・Pan-sautead beef fillet (France meat)
・赤ワイン

あれれ、左足が痛いぞ。出血してるし化膿したのかな?
何故か左手指も痛い。足裏の体液流出が止まらない。

5時間経由しても状態は変わらず、左足裏の痛みは増すばかり。左足全体が腫れ、頭痛と胸の動悸もするぞ。

24時15分頃、ホテルで紹介してもらった救急病院へタクシーで出向く。
ローヌ川沿い、ホテルにほど近いHopital ST.JOSEPHだ。
受付は英語OK。しかし最初にパスポートの提示が必要とは知らなかった。持参して正解。

24時40分頃、DAFALGANを服用した。解熱鎮静剤のようだ。最初に「強い抗生物質はダメ」と言ったからかな?

27時30分(3時30分)になってやっと治療室へ。
消毒され、何かを飲まされ、患部をカバーされ、「帰国まで触るな」と。
この状態がノーマルで、感染していない、と。本当かね。

28時20分(4時20分)に解放された。
信じがたいことに医師も看護師も英語が通じない。システムも異なるし、ほとほと疲れた。

処方箋が出た。どこかの薬局で薬を購入するのは日本と同じシステムか。

受付で呼んでくれたタクシーに乗る。「空港までと聞いて来たが」ってアホか!

ホテルへの戻りは4時45分。正面玄関横の呼び鈴でフロントを呼び、入れてもらった。

旅行の続行は不可能と判断し、帰国することに決めた。

残念なのですが、続きます。

2015年4月パリとリヨン その6 [男ひとり旅の美学]

■サラ・ベルナールの足跡を求めて

Sarah Bernhardt
気になっている女優です。

オルセー美術館の2階、アール・ヌーヴォー建築史のコーナー
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カフェ・サラ。ベルナールの店内にて
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プティ・パレにて
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彼女の音声とか記録映画とか、残っていないかな?

続きます。

2016年2月21日 (日)

2015年4月パリとリヨン その5 [男ひとり旅の美学]

2015年4月28日(火)、7時20分起床、晴
パリ最終日です。

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■モンマルトル逍遥
タクシーでピガールへ。
モンマントルの丘を目指して坂道と階段を昇る。
細い道が多く、迷いに迷う。

テアトル広場……まさか、この雑多な店でごちゃごちゃした界隈がそうなのか? そうなんだな。がっかり。
もっと芸術的な雰囲気を求めていたのになぁ。
でもまぁ、周辺の雰囲気は良い。

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サクレ・クール寺院を巡る。
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モンマルトル博物館は小規模ながら良質だと思う。
ルノワールの庭も再現されていた。
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シャ・ノワール
どこかの資本で再現してくれないかなぁ。
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ピガールへ降りるも、タクシーが全然つかまらない。
何とか乗り込み、ホテルへ戻ってチェックアウト。時間(12時)を過ぎてしまったが大目にみてくれた。


■プティ・パレ(パリ市立美術館)

前回時間切れだったプティ・パレを再訪した。
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まずは中庭のカフェで軽食を。カフェオレとケーキで12ユーロ。

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お気に入りの作品を二つ。
Paul Albert Steck『Ophelie』(1894年)
水中のオフェーリアの表情としぐさがなんとも言えない。
緑と白を基調とする色彩も良い。
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Leon-Francois Comerre『Bicyclette au Vesinet』(1903年)
前回同様、お気に入り。
きりっとした美少女はやはり良い。
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アール・ヌーヴォー時代の屋内。良いなぁ。
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■TGVに乗り遅れて大凹み

プランタン百貨店、ギャラリー・ラファイエット百貨店を見たが、中国人観光客で溢れている。
これじゃ大阪・梅田や神戸・元町のほうがマシというもの。

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ホテルで荷物をピックアップし、メトロに乗ってリヨン駅まで無事に着いたのはOKだが……

TGVに乗り遅れた!

原因は切符に書かれた発車時刻16時19分を手帳に転記する際、「59分」と書いてしまい、こればかり見ていたためだ。

チケットカウンターへ並び、直近の列車のチケットを購う。
TGV6687号、16時57分発の一等車を確保できた。
料金は133ユーロだが、嬉しいことに、乗り遅れた列車との差額61ユーロで許してもらえた。メルシー。

新幹線とシステムが異なり、初めてだらけ。次は失敗しないぞ。

16時58分に出発。でも英語アナウンスなし。エアコンは発車してからの稼働ときた。
合理的なのか、乗客無視なのか。

新幹線のような社内販売カートはない。代わりにビュッフェ&売店車両があり、紅茶とオランダ風ワッフルを購入した。5.7ユーロ。
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車窓に見えるは畑と牧場ばかり。

リヨンに近づくと、風景がパリと異なってきた。
雲が低く垂れこめ、天使か何かが降臨してきそう。なるほど、カソリック信仰の盛んになるのがわかる気がする。

18時55分にリヨン・パール・デュー駅に到着。
よく見ると大きなポスターに「乗車1時間前には駅に着くように」と書いてある。
新幹線のほうが良いな。
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タクシーでホテルへ向かう、ソーヌ川沿いは大渋滞。24ユーロもかかった。

19時30分、ホテルSofitel Lyon Bellecourソフィテル・リヨン・ベルクールにチェックイン。
この五つ星ホテルは素晴らしいところだと後で知る。
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夕食はルームサービスにした。
Roasted free-range poultry(ローヌ地方名産の地鶏)
Creme Brulee(フランス名物のスイーツ)
白ワイン
サービスでカフェオレを付けてくれた。
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満腹になったところで続きます。

2015年4月パリとリヨン その4 [男ひとり旅の美学]

■アンヴァリッドへ

コンコルド広場からプティ・パレ、グラン・パレを経由し、アレクサンドル三世橋を抜ける。このルートが一番好きだ。

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16時10分にアンヴァリッド到着。二両の戦車がお出迎え。「ガルパンはいいぞ」

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ナポレオン一世の墓を見た。
ドーム教会の中央地下に鎮座する巨大な大理石の棺は、ネルソンのそれを凌ぐだろう。

RIVOLI、PYRAMIDES、MARENCO、AUSTERLITZ、IENA、FRIEDLAND、WACRAM、MOSCOWA、と。
棺の周囲に刻まれた地名は、すなわち英雄の足跡。
12体の女神に見護られて眠ること200年。彼を超える英雄は、さて、現われるのだろうか。

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■軍事博物館

アンヴァリッド内の軍事博物館。
ルイ14世の甲冑、近世の小銃、騎馬兵の姿などから、20世紀の軍事兵站に至るまで幅広く展示されていた。
日本の戦国時代~徳川幕府時代の甲冑は……撮影禁止だと?

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「陸軍の恥」といった記録もキチンと残されている。
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帝国陸軍の軍服もあった。1912年のもの。
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1942年まで来た。さぁこれからというのに、18時になって追い出されてしまった……。
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■サンジェルマン地区を歩く

グルネル通り~サンジェルマン通り~サンジェルマン広場へ。
これが有名なCAFE DE FLOREか。次回に入店しよう。
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ボナパルト通りからカルーゼル門を経て、19時ごろにホテルへ戻る。
良く歩いた。左足の裏が痛い。


■ムーラン・ルージュ

20時10分にホテルを出てタクシーでピガールへ。
外はまだ明るく、ムーランルージュらしい雰囲気はない。
だが、内部は往年のナイトクラブの感じが出て良い感じ。
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ショーはFeerie、前すぎる席だったので全体は見渡せない、

まあ、ド派手なショーだ。
ダンスだけでなく、マッスル大会的なショーもあった。

トップレスなのは最初とまどうが、それが自然に思えてくるから不思議だ。
相席はスウェーデン人夫妻とスペイン人男性で、この男性は元ムーラン・ルージュのダンサーだったそうで、サインをもらった。

水蛇と仔馬のショーには驚いた。

終演は23時前。フレンチ・カンカンは想像よりもショボかった。

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続きます。

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